夏の星を探そう


夏の大三角

梅雨明け頃の東天高くに,明るい3つの星でできた,中に北斗七星が入ってしまうくらいの大きな直角三角形を探そう。夏のあいだ一晩中見えている目印だ。暗い空なら三角形の中に天の川が見える。

3つの星は,ベガ(こと座),デネブ(はくちょう座),アルタイル(わし座)。ベガは七夕の織姫,アルタイルは彦星で,天の川を挟んで輝いている。

ベガはとても明るい星で,やがて頭のほぼ真上へ上り,夜空に君臨するように爛々と輝く。女王の風格たっぷりだ。


さそりの赤い心臓

さそり座の1等星アンタレスは,南の空で,両脇に2つのお供の星を従えた赤い星。火星のように赤いので,火星(マルス)に対抗する(アンチ)もの(=アンチ・アーレス)という意味でアンタレスという。

アンタレスの前後に大きなS字を描くさそり座は,最もわかりやすい星座の一つ。尻尾を折り曲げハサミを振りかざしたサソリの姿で,アンタレスは心臓の位置。


いて座の南斗六星

さそり座の東では,夏の大三角から流れてきた天の川が一段と濃い。この方角が私たちの住む銀河系の中心方向。

このあたりで北斗七星を小さくしたように並ぶ6つの星が,南斗六星。
中国では,南斗六星と北斗七星は生と死を司る神。人が生まれる時,この二人が話し合って寿命を決めるという。
西洋では,南斗六星はミルク・ディパー(乳さじ)。ミルキィ・ウェイ(天の川)のミルクをすくうスプーンと見ている。

南斗六星はいて座の一部。
いて座は弓を引く射手。つがえた矢の先はアンタレス(サソリの心臓)を狙う。射手は,天の暴れん坊サソリが悪さをしないよう見張っているのだ。


戀星空入門トップ
(c)Mira House