山伏山(やまぶしやま) 室町通蛸薬師下ル

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 山に飾るご神体が,山伏の姿をしていることから山伏山と呼ばれる。

 前(さき)の祭の中では一番北の山で,7月15日には聖護院の山伏が参詣し,八坂神社神官の後に祈祷を行う。明治初年の神仏分離以前の姿を残す山である。

 昔,八坂の法観寺の塔が傾いたとき,法力(ほうりき)によって直した山伏,浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)が,修験者として大峯山入りする姿を表している。浄蔵は,法観寺の塔のほか,父親を生き返らせ葬列を後戻りさせた,一条戻り橋の伝説でも知られる。
 ご神体は,左手に刺高数珠(いうだかじゅず)を,右手に斧を持ち,腰には法螺貝(ほらがい)をつけている。

 欄縁金具は飛鶴で,前懸は雲中の龍・青海波・麒麟を刺繍で豪華に描いた中国製。水引は,繭から糸を紡ぎ布を織り上げるまでを描いた中国風俗機織養蚕楼閣人物図の錦織,胴懸は花卉胡蝶文様(かきこちょうもんよう)の綴錦,見送は中国・明時代のものを復元した龍波濤文様(りゅうはとうもんよう)の綴錦。


山伏山のうしろ姿

 


 

新町通の巡行


 巡行を終えた山鉾たちは,新町通の最初の交差点で散り散りになり,思い思い自分の町の方向へ帰っていく。

 広い御池通では大きな鉾が後ろの山を先に通す様子が見られ,新町では,山鉾たちはクジで決まった巡行順とは異なった順序で現れる。

 


 

雨の巡行

 山鉾巡行に雨天順延はない。年によっては梅雨末期大雨にも見舞われる。
 2002年7月17日は,宵山の夜半から台風が通り過ぎる中での巡行となった。

 多くの山鉾はビニールシートをかぶせたり,雨仕様。
 山伏山は,ご神体と見送がビニールで包まれていたが,ほかの装飾品は濡れながら。比較的よく見られた山鉾の一つだった。


四条通

室町通

宵山の風景 | 写真集


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