卯月(卯木)

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卯木の絵

 高さ2m程度になるユキノシタ科の落葉低木で,ほぼ日本全土に渡って分布し,日の当たる場所に普通に生えています。ウツギは,5月〜6月頃5枚の花弁を持つ白い花を咲かせますが,これが卯の花(うのはな)です。
 枝が中空なことから,“空木”(ウツギ)という名前で呼ばれるようになりました。

 ところで,豆腐を作ったときの豆の絞りかす(豆腐がら)のことを“おから”(雪花菜)と言いますが,この別名が“卯の花”ですね。ウツギの花に似ていることから,こう呼ばれるようになりました。雪花菜は,切らずに料理に使うことができるため,“きらず”(不切)とも呼ばれます。
 炒めて人参や揚げと一緒に煎り上げたり,酢でしめた小魚を雪花菜につけ込む卯の花漬けなどにして食べますが,最近は,家畜の飼料にしたり,家屋や家具のつや出しに使われたりしていることが多いようです。

 さて,陰暦四月のことを“卯月”と呼びますね。卯月は“卯の花月”ともいい,“卯の花が咲き始める季節”という意味です。
 陰暦では卯月からが夏。卯月の季語は夏になります。卯の花が咲く5月から6月といえば,今の暦でも初夏ですから,卯月(4月)が夏の季語となることも納得できますね。

 なお,このページの背景の色は卯の花色になっています。


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