灰の水曜日(Ash Wednesday)

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 イースターの46日前,キリスト教の教会暦で四旬節(しじゅんせつ)が始まる日。カトリック教会では,この日,キリストの受難・死を想い痛悔する印として信者の頭に灰をかけたり額に灰をつけたりするため,灰の水曜日と呼ばれるようになりました。灰は,前年の枝の主日に祝別した,勝利と歓喜の象徴であるシュロの枝を焼いて作ります。
 枝の主日(しゅろの主日=聖枝祭=受難の主日)とはイースターの1週間前の日曜日で,キリストが十字架にかけられるためにエルサレムへ入城した日を覚えて,枝(主にシュロ)を祝別します。枝は信者が持ち帰り,翌年の灰の水曜日まで保管するのです。

 四旬節=レント=受難節は,キリスト教の教会暦に起こった最初の典礼季節で,ニカエア公会議(325年)の頃には一般化された制度だったと言われ,キリストの40日間の荒野での断食(マタイによる福音書4:2他)に因んで40日間行われます。
 古くはイースター(復活祭)の6週間前の主日(日曜日)から行われていましたが,主日に断食をするのはふさわしくないということから,主日を抜いて正確に40日となるよう,前の週の水曜日から始めるようになりました。この間,信者はキリストの受難と死を想って償いをし,復活祭の準備をします。

 昔,四旬節の間は肉を食べない習慣があったことを受け継いで,カトリック教会では,灰の水曜日は肉を食べず(小斎),十分な食事は一食だけ(大斎)とするそうです。

 プロテスタントのキリスト教会では灰の水曜日にも受難節にも決まった行事はありませんが,教会によって祈祷会などが行われます。


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