星座の設定者たち

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最終更新:2002年8月15日

クロード・トレミー(Ptolemy,70?〜147年,ギリシア)

ギリシアの植民地だったアレクサンドリアに生きた,2世紀の博学者。数学者,天文・占星学者,地理学者として知られる。
生没年の詳細は不明で,150年までの天体観測の記録がある,とする資料もある。

127年〜141年にアレクサンドリアで天体観測をした彼は,星座の世界では“トレミーの48星座”を定めたことで有名だが,一般的には天動説を確立したクラウディウス・プトレマイオス(Klaudios Ptolemaios)の名の方が知られているだろう。トレミーは英語名。

“トレミーの48星座”は,著書『メガレ・シンタキシス』(アラビア語の『アルマゲスト』の名で知られる)に示されたもので,アラートスの『ファイノメナ(星空)』やヒッパルコスが記録していたもの,ギリシアで慣用的に知られていたものなどを整理して設定された。
トレミー48星座のうち現在使われていないのは,後に4分割されたアルゴ座だけである。

トレミーの遺産は星座だけにとどまらない。現在用いられている星の固有名称も,多くが『アルマゲスト』に端を発している。彼が,本の中で明るい星の位置を“魚の口”とか“河の果て”のように書き記していたため,それが現在でも星の名前として残っているのだ。星の名前にアラビア語が多いのは,『アルマゲスト』がアラビア語に訳された後,ヨーロッパへ逆輸入されたからだという。
ちなみに,“魚の口”はみなみのうお座の“フォーマルハウト”,“河の果て”はエリダヌス座の“アケルナル”。両者ともアラビア語だ。

以下が,トレミーが設定した48星座。

1. アルゴ
2. アンドロメダ
3. いて
4. いるか
5. うお
6. うさぎ
7. うしかい
8. うみへび
9. エリダヌス
10. おうし
11. おおいぬ
12. おおかみ
13. おおぐま
14. おとめ
15. おひつじ
16. オリオン
17. カシオペア
18. かに
19. からす
20. かんむり
21. ぎょしゃ
22. くじら
23. ケフェウス
24. ケンタウルス
25. こいぬ
26. こうま
27. こぐま
28. コップ
29. こと
30. さいだん
31. さそり
32. さんかく
33. しし
34. てんびん
35. はくちょう
36. ふたご
37. ペガスス
38. へび
39. へびつかい
40. ヘルクレス
41. ペルセウス
42. みずがめ
43. みなみのうお
44. みなみのかんむり
45. や
46. やぎ
47. りゅう
48. わし
ティコ・ブラーエ(1546〜1601年,Tycho Brahe,デンマーク)

貴族の家に生まれ,コペンハーゲンの大学で学ぶ。1560年に日食を見たのをきっかけに天体観測に興味を持った。

望遠鏡時代前の最大の観測家として知られる彼の作った星表は,非常に精密なものであった。
また,火星の動きを非常に詳しく観測した天体観測家としても知られる。彼の観測資料は,彼の死後,助手のヨハン・ケプラーによって整理され,ケプラーの法則発見の糸口となった。

1601年,かみのけ座を設定。
かみのけ座は,もともと古代から認められていた星座で,紀元前2世紀のギリシアの天文学者ヒッパルコスが記録していたが,トレミーが48星座制定の際に削除した。

ヨハン・バイエル (1572〜1625年,Johhan Bayer,ドイツ)

バイエルンに住んでいた法律家。

1603年,有名な星表『ウラノメトリア』を発行し,この中で新たに南方の11星座を設定した。資料は,オランダの航海士ペトルス・テオドリ(1596年ジャワ島沖で遭難)が残した手記であった。
α星とかβ星,などという星の呼び方を“バイエル名”と呼ぶが,それは,彼が星表『ウラノメトリア』で,各星座の星の明るい順に,ギシリア文字のアルファベット(α,β,γ…)を割り当てたからである。この名前は,今日も残って広く使われている。

なお,ペトルス・テオドリは,ピエトル・ディルクス・ケイザーのラテン語名。

ケイザーは,地理学者・地図作製者であるペトルス・プランチウスの弟子で,同じく彼の弟子だったフレデリック・デ・ホウトマンと共に南極付近の星の観測を命じられたが,遭難。
しかし記録は持ち帰られ,これをもとに,1598年,プランチウスは天球儀を製作。ここで“カイザーとハウトマンの12星座”として南天の新たな星座が初めて紹介された。

12星座のうち,はえ座のみがバイエルの星座に採用されておらず,バイエルはここに“みつばち座”を記録していた。これは,バイエルが参照した資料に誤記があったためと考えられ,後にラカイユによって正された。

以下が,バイエルが設定した12星座。

1. インディアン
2. かじき
3. カメレオン
4. きょしちょう
5. くじゃく
6. つる
7. とびうお
8. はえ
9. ふうちょう
10. ほうおう
11. みずへび
12. みなみのさんかく
ヤコブス・バルチウス (J.Bartschius,ドイツ)

ケプラーの娘と結婚した数学者。1624年,きりん座をはじめ4星座を新設した。彼は,きりん座をらくだ座と設定していたのだが,ちょっとした間違いで,きりんになって伝わった。スペルが似ていたらしい。

はと座とみなみじゅうじ座の設定は,1679年のロワーエ(ロアイエ)の星図だとする資料もある。

以下が,バルチウスが設定した4星座。

1. いっかくじゅう 2. きりん 3. はと 4. じゅうじか(みなみじゅうじ)
ロワーエ (Augstin Royer,フランス)

フランスの天文学者で,1679年に出した星図にて,はと座・みなみじゅうじ座を設定した,または,有名にした。

ヨハン・ヘベリウス (Johannes Hevelius,1611〜1687,ドイツ)

醸造家の息子として生まれ,大学では法律学を専攻したが,故郷の街(グダンスク)で公職を勤めながら天体の肉眼観測や観測器具の改良・製作に精を出した。

1690年,やまねこ座をはじめ,暗い星ばかりで構成される7星座を,著書の星図の中で新設。
彼が「ここに山猫の姿を見つけるには,山猫のような目が必要だ」と語った話は有名だ。

以下が,ヘベリウスが設定した7星座。

1. こぎつね
2. こじし
3. たて
4. とかげ
5. やまねこ
6. りょうけん
7. ろくぶんぎ
ニコラス・ルイ・ラカイユ (Nicolas Louis de Lacaille,1713〜1762年,フランス)

神学を学んで司祭となったが,独学で数学と天文学を学び,カッシニとの出逢いをきっかけに天文の道へ進み始めた。
1750年以降,南半球の天体観測を開始。測地学の技術を持ったラカイユの喜望峰での観測は,その後,太陽と月の視直径の改良に繋がった重要なものとなった。
1763年に発表された遺著(Coelum Australe Stelliferum)の南天星座目録で,17星座を新設。
このとき,トレミーが設定したアルゴ座は,とも座・ほ座・りゅうこつ座・らしんばん座に分割された。
残念ながら,彼が設定した星座はわかりやすいとは言い難く,評判も今ひとつのようだ。

以下が,ラカイユが設定した17星座。

1. がか
2. けんびきょう
3. コンパス
4. じょうぎ
5. ちょうこくぐ
6. ちょうこくしつ
7. テーブルさん
8. とけい
9. とも
10. はちぶんぎ
11. ほ
12. ぼうえんきょう
13. ポンプ
14. りゅうこつ
15. らしんばん
16. レチクル
17. ろ



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