7331のおさかな日記 6

永久の闘魚モアジュ :2001年5月〜2001年8月

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2001年05月03日(木)

 最近見つけた熱帯魚の店へ行ってみた。グッピー専門店といった感じで,グッピーに興味がない私としては残念だったが,ワイルド種のベタもいた。
 そこでグリーン・ネオンを3匹購入。グリーン・ネオンは小さく大人しい種類だし,もともと我が家の水槽にいるネオンテトラやグローライト・テトラもフレンドリーな子たちなので,何事もなくなじんでくれた。年老いたネオンテトラが2匹は,小さなグリーン・ネオンには仲間に見えるのか,グリーン・ネオンたちはネオンテトラにくっついて泳いだりしていて面白い。グリーン・ネオンは,青いラインがネオンテトラより長いので,ロングライン・ネオンと呼ばれることもあるという。ネオンテトラの赤が消えたのがグリーン・ネオン,赤が伸びたのがカーディナル・テトラって感じかな? ところで私は,背鰭を思わず垂直尾翼と呼んでしまう(^^;。

2001年05月27日(日)

 水換え後,コマキが1匹動かなくなった。夜になって場所を移動させてみたが,殻の奥深く潜っていて見えないくらい。どうしたのだろう? 水換えで取り出した時は,しっかりくっついていたのを剥がしたのに。

2001年05月28日(月)

 コマキは,朝になっても全く同じ場所で向きも変わっていない。s

2001年05月31日(木)

 日曜日の水換え以来,コマキちゃんがとうとう動かなかったので,水槽から出した。身体は殻の奥深くに潜り込んでいて,ダメみたい。私は別容器に移してでももう少しおいておきたい気持ちがしたが,つついても反応もないし,やっぱり死んでしまったのだろう。水換えで水槽から出すときは,元気にへばりついていたというのに,どうして急に死んでしまったのだろう? ショック死? よくわからない。

2001年06月09日(土)

 水槽の暑さ対策。クリーニングのハンガーで照明装置を水面から離し,硝子の代わりにニンニクとオクラの網をかぶせて,気化熱で冷やすようにした。

2001年06月10日(日) 入梅

 大きい方のランプアイの呼吸がおかしく,「そろそろ寿命が近づいたかなぁ」と話す。

2001年06月11日(月) 

 明日から3泊5日のラスベガス旅行。水槽の子たちは扇風機と週末フードで耐えてもらうが,瓶のモアジュは5日間水換えなしで絶食もかわいそうなので,実家へ連れていって預かってもらう。

2001年06月16日(土)

 入国審査が終わると同時に急いで福岡行きの搭乗手続き。その後実家へ電話し,モアジュの様子を聞いた。元気だそうだ。何と預けられている間,一度も温度計センサーに闘いを挑まなかったらしい。いつもは1日何回もチンチン音をさせているのに,預けられていることに気がついていたようだ。「ベタは外をよく見ているから」と母。

2001年06月17日(日)

 モアジュを迎えに行く。モアジュは元気。毎日水換えをしてもらったそうで瓶は美しかった。可愛がってもらっていたようだね。ちっとも温度計センサーに闘いを挑まないと言っていたが,私たちが行くとやっぱりセンサーをつついていた。連れて帰ると,モアジュにも家だとわかるのか,飼い主を把握しているのかどうかはわからないが,かつて無いくらいの勢いでセンサーをつついて瓶の壁にぶつけ,チンチン言わせていた。

2001年06月22日(金)

 朝起きると,モアジュの温度は22.4℃に下がっていた。何と過酷なモアジュ。

2001年07月03日(火)

 友人がケーキを持って遊びに来てくれた。彼女は最近熱帯魚を飼い始めたそうで,家の水槽を見て「ショップみたい」と言ってくれる。どこが(^^;? その後各々が知っている熱帯魚ショップ巡りをすることになる。
 彼女の行きつけは,タウンページで知ったという水草専門店レヨンベールアクア。水草に熱心でない私(綺麗だけど世話が面倒(^^;)だが,何と大好きなアナバンディ(キノボリウオ科)が沢山いて大感激。関西では見つけることができなかったショウベタやワイルド種のベタ,リコリス,輝くようなグラミーなど何時間でも見ていられそう。聞くと,店長自らマレーシアの河などへ行って採取するのだという。レインボーフィッシュなど珍しい汽水魚も泳いでいた。通販で全国から注文が来るということなので,レアな熱帯魚を求める人にはお勧めの店だと思う。
 その後,いつか亮介と行ってグリーンネオンを買った桜木のグッピー専門店へ行くと,グッピー大好きの彼女は大喜び。とりあえず,お互いよかったのだった。

2001年07月07日(土) 小暑

 夕方仕事から帰ってモアジュの瓶を覗くと,何と,餌が残っていた。いつも,与えて15分後には食べ終わっているのに,何故? 調子を崩したのだろうか?
 その後リヨンベールアクアへ行って,亮介と1時間半くらいお魚を堪能する。ドワーフ・シクリッドという珍しい魚がいっぱいいたが,なかなか可愛い。エンビ管にもぐる姿が可愛かったので,今度モアジュにもエンビ管を買ってあげようと話す。
 店にあったアナバンティの本で,モアジュがダブルテイルの“ソリッド・ブルー”という品種であることが分かる。ダブル・テイルは品種改良の途中で現れた突然変異の品種で,背鰭が大きいのが特徴だそうだ。モアジュの体調がおかしいと思った日に,長い間知りたかったモアジュの品種がわかるだなんて…。

2001年07月08日(日)

 昨日仕事から帰った夕方,亮介が昼過ぎに与えたという餌をモアジュが食べきっていなかったことに疑問だったけど,今日,モアジュが明らかに変だと思った。ここ3日くらい泡巣を作らなくなっていたとも思う。昼間といえばだいたい上の方で忙しそうに泳ぎ回っているのが常だったはずなのに,昼間から葉っぱの間に顔を突っ込んで15〜20分も寝続けたり,底に沈んだままだったりと元気がない。モアが,死ぬ1ヶ月ほど前からこうして休むのが好きだったことを思い出させる。身体の表面は綺麗に見えるが,亮介は左目に白いものが出ているような気もするという。暑さで体力が落ちたのだろうか? すごく心配だけど,どうすることもできない。せめて冷房をつけて涼しく保つよう気をつけるくらいだ。あと,夜はちゃんとカバーをかけてあげること。でも,私が「この子はおかしい」と気がついた魚は,今までも例外なく1ヶ月以内に死んでしまった。。。モアジュが元気がないことが気のせいであってほしい。

2001年07月09日(月)

 やはりモアジュは元気がない。いつもだったら,朝私が起きてリビングルームのカーテンを開けると,ナナの間をググッとくぐって水面へ浮上し,ヒラヒラと泳ぎ始めるのに,私が餌を持って近づくまで底に沈んだまま。こんなことはなかった。モアジュはいつも,私を見かけると水面へのぼってきたのに。。。
 頭の上のウロコが,少し白く逆立っているようにも見える。これも,モアの最後の数ヶ月と同じ。心配だ。私がパソコンに向かっている間も,いつもならヒラヒラと泡巣を作ったり,温度計のセンサーに闘いを挑んでチンチン言わせたりして忙しそうなのに,じっとナナの上で休んでいる。(でも,何故か1回だけナナから浮かび上がって,勢いよくナナをつついた(^^;)珍しい品種だし,珍しい行動をとって楽しませてくれる特別な子だけに,長生きしてほしいのに。
 モアジュが隠れる場所になるようにと思って,ホームセンターからエンビ管を買ってきてビンに沈めてみたが,ジュは警戒して底の方へ行かなくなった。挙げ句の果ては,エンビ管に闘いを挑んでいる(^^;。おまえは体調悪いんじゃないんか?!,って感じ。でも,とうとう今日の餌も全部食べてはくれなかった。

2001年07月10日(火)

 モアジュは,朝の餌を与えると,その時だけつついていたが,その後は全く食べず。ずっと底に沈んで時々空気を吸いにあがって行くだけで元気がない。元気で楽しいモアジュが,こんなにいきなり調子を崩すなんて。。。見かけは元気なのだけど,2日も続けて餌を食べないのだから,体調が悪いことは間違いない。本当にショック。あまり暑くなかったけど,モアジュが暑くないように,一日エアコンを入れていた。私はおかげでちょっと寒かった。しかし,夕方3連続で温度計センサーに闘いを挑むところを目撃(^^;。夜の水換えで,コマキたちを全員テトラ水槽へ移し,モアジュには新しい餌と薬を入れた。薬浴で助かった魚なんて白点病のモリーだけなので気休めにしかならないが,何もしないよりいいだろう。餌を食べずに体力が落ちると,他の病気も併発しやすいだろうしね。水換えの後は,しばらくヒラヒラ泳いでいたが,餌はちょっとつついただけ。

2001年07月11日(水)

 朝起きて確認すると,昨夜与えたモアジュの餌は,つつかれて小さくなっていたが欠片が散らばっていた。午後になっても欠片は一向に減っていない。そこで1/3に割ったコリドラスの餌を与えてみると,すぐに食いついていた。1時間ほどして確認すると,餌は消えていた。どうやら食べてくれたらしい。でも,午後はずっとエンビ管の対極の底に沈んでいることが多かった。エンビ管が気に入らないらしい。泡巣も作らない。体調は悪そうだ。

2001年07月12日(木)

 午後帰宅してモアジュを見ると,朝与えた餌をほとんど食べていない。ずっと沈んでじっとしている。ダメなのかなぁ。。。
 それでも私が掃除機をかけている間だけは,いつものように上へのぼってきてヒラヒラしていた。私が日変研のホームページにミラキャンペーンのページを作ったりしている間は,底に沈んで休んでいるようだった。夕方水換えをして新しい餌を与えたが,ちょっとつついただけ。それでも,今日も何度か温度計センサーに闘いを挑んでチンチン言わせていた。泡巣は作らない。モアジュ,チンチンしなくていいから餌を食べてよー!!

2001年07月13日(金)

 エアコンをつけっぱなしにしてあったのに,夕方帰宅するとモアジュのビンは29.9℃まで上昇していた。モアジュは,昨夜与えた餌を食べていて,ホッとする。何回もチンチンするし,夕方になって泡巣も作り,回復してきたかなぁと少しだけ安心。でも,やっぱり下で寝ていることが多いんだけどね。。。

2001年07月14日(土)

 モアジュは,昨夜与えた餌をすっかり食べ終わっていて,けっこう普通通りヒラヒラしている。新しい泡巣は無いようだけど,もしかして元気になったのではないかという希望が出てきて嬉しい。

2001年07月15日(日)

 モアジュはヒラヒラしていて元気そう。チンチンしているし,泡巣もブクブク作っている。でも,やっぱり食欲はあまりないみたい。今までなら与えて15分後には餌は消えていたのに,2時間経過しても,ほとんどそのまま残っている。糞も少ない。モアジュ,どうしたの?

2001年07月16日(月)

 モアジュは以前より多少食欲はなさそうに見えるが,上の方をヒラヒラ泳いでいて至って元気に見える。朝与えた餌は,夜帰宅するとなくなっていた。モアジュのビンにコマキがいないと寂しいので,1匹移動。

2001年07月17日(火)

 モアジュ,初めてエンビ管の中に入る。ようやく警戒を解いてくれたらしい。よかった。

2001年07月21日(土)

 モアジュのために,5Lの美しい水槽を買う。今まで2Lのハチミツが入っていた瓶に飼っていたので,せっかくの美しいモアジュが歪んで見えて残念だったが,これで観賞できる。それに,モアジュも広いところを泳ぐことができる。

2001年07月30日(月)

 モアジュは餌を元通りバクッと食いついて食べるようになり,泡巣も作った。この水槽へ移して初めての泡巣。嬉しい。

2001年07月31日(火)

 モアジュは,今日もしっかり餌に食いついて,泡巣も作った。泡巣の下で熱心に泡を作ってメンテしている姿は可愛い。

2001年08月01日(水)

 モアジュは,今日も食欲満点といった感じで餌にぱくつき,泡巣を作った。もう3日目。完全に復活したと考えて良いだろうか? 嬉しい。

2001年08月02日(木)

 30日・31日・1日と3日連続で泡巣を作り,餌も食いつくようにしっかり食べたモアジュが,今日は元気に泳いでいるけど,泡巣を作らない。何だかウロコが逆立っている…? そう思い,夕方水換えをし,薬を入れて餌を与えた。帰宅した亮介にそのことを伝えると,2日前はウロコは大丈夫だったという。
 しかし,亮介に確認してもらったら,やっぱりかなりひどく逆立っているようだという。夕方与えた餌はしっかり食べていたし,ヒラヒラ泳いでいて元気だけど,モアジュの見た目は昼間よりひどい。運動性エロモナス菌によるマツカサ病になってしまったのだろうか? マツカサ病は,人間の目で分かるようになると助からない。腹水もたまり始めたのか,心なしかお腹も膨らんで見える。今週に入って元気になって安心していたのに…。やっぱりモアジュを救うことはできなかったと思い,悲しい。多分,モアジュの死を覚悟するしかないのだろうと思う。

2001年08月03日(金)

 昨日の夜は元気だったのに,朝になるとモアジュはすっかり病気という感じになっていて,ナナの下で斜めになって休んでばかり。たまに空気を吸いに昇ってくるだけ。昨夜の餌はしっかり食べていて,糞は渦巻き状の立派なのをしていた。朝与えた餌には一応興味を示してつつく。
 しかし,かなり体調が悪そうにしているにも拘わらず,私が赤い服を着ると通常通り鰓を膨らましてすごく怒った。何度か温度計センサーへも闘いを挑む。モアジュ,あなたは病気なのよ?
 家にあったのは白点病・水カビ病治療薬の“ニューグリーンF”だったので,運動性エロモナス菌によるマツカサ病及び腹水の治療への効果はあまり期待できない。やはり専用の薬を調達すべきだろう。モアジュが完治する希望を最後まで捨てないためにも…。酷暑の中車を走らせ,細菌性感染症治療薬“グリーンFゴールド”を買ってきて,夜,水換えをした後投薬する。この薬は溶けにくく,モアジュは興味を示して食べてみようとする。先に解かしておいて,その液を少しずつ加えた方がよさそうだ。その後餌を与えたが,一応興味を示してつついていた。ウロコが逆立っているのはまだ身体の前半分に留まっているので,何とか快復してくれますように…。
 夜は,いつも通りモアジュは蛇のように底の方を泳ぎ回っていた。

2001年08月04日(土)

 モアジュ。昨夜の餌は半分ほど食べていたが,昨日の朝のように無くなってはいなかった。食欲が落ちてきたのか? ウロコが逆立っている様子は,昨夜よりむしろ少しひどくなってきたようにも見える。動きは昨日と同じっていう感じだ。今まで隠れ家にしていた大きなナナを投薬のため取り去ったので,ジュはエンビ管を隠れ家にして休んでいる。

2001年08月05日(日)

 モアジュは,ウロコが逆立っているのはぜんぜん治らないのに,とっても元気で1日中活発に泳ぎ回り,温度計センサーに闘いを挑むし,餌もばくばく食べる。ただし,私の赤い服を見ても怒らないのだけが違っている。薬液が黄色いので,色がよくわからないのだろうか? 午後になって,水を1/3だけ交換し,新たにひとつまみの塩を加えた薬液を加えてやった。夜あげたコリドラスの餌1/4個は,丸ごと食べてしまった。動きは,むしろいつもより活発に見え,不治の病気だなんて信じられないくらいだ。モアジュは最後までモアジュなんだね。

2001年08月06日(月)

 昨日の元気さはどこへ行ったのか,モアジュは朝からエンビ管の中かナナに挟まっているばかりで動かない。時々空気を吸いに水面へあがってくるが,すぐに急降下して休んでいる。餌もつついてバラバラにしたけど,昨夜の食べっぷりを考えると,食べていないようにしか見えない。今日は体調悪いのかなぁ。ウロコは逆立ったまま。ひどくなっているかどうかはわからない。身体の後ろ半分のウロコは,まだ逆立っておらず美しい。お腹は膨れているようだ。モアジュ,頑張れ!

2001年08月07日(火) 立秋

 モアジュはずっとナナに挟まっていて時々空気を吸いに出てくる程度。餌もバラバラになっているだけでほとんど食べていない。

2001年08月08日(水)

 朝5時頃起きると,モアジュはヒラヒラ泳いでいる。元気になったのかなぁと思って水槽へ近づくと,モアジュはこちらへやってきて,ずっと私を見ながら近くでヒラヒラしているので,かわいいなぁと思っていると,いきなり鰓を膨らませた。単に私の赤いタンクトップが気に食わなかったらしい。まぁ怒る元気があるってことはまだ大丈夫と思って,少し安心。襟巻き蜥蜴のように膨れたモアジュをもう一度見られて嬉しい。
 朝になって与えた餌は,ときどきバクッと加えたりしていたが,基本的につつくだけという感じでしっかり食べてはいない。糞も少なくなってきたようだ。ウロコは,少しずつ悪化している。運動性エロモナス菌,薬の中で生きているのだろうか。もう薬浴も1週間近くなってきて,そろそろ菌にも耐性ができてくると思うので,モアジュもダメかもしれない。悲しい。モアジュ,頑張ってよ。

2001年08月09日(木)

 朝5時前,起きてモアジュを見に行くと,泳いでいた。鰓がバクバクしていたのも通常に戻っている。昨夜与えた餌もつつかれて砕けている。どうやら持ち直したらしい。水を薄めたのがよかったのか? 特にウロコが治っているわけではない。逆立っている鱗は,すこしずつだけど尾の方へ広がっていっているように見える。
 たまたま今日はモアジュが嫌いな服を着ていたが,昨日の朝同様,モアジュは怒って鰓を膨らませ,私の方へ突進してきた。健在! とにかく,治らないにしてもすぐ死ぬようなことはなさそうだと思い,安心した。午前中は,ここ数日の中でもかなり活発な様子を見せたが,午後になって,また鰓をバクバクさせて苦しそうな表情に変わった。それなのに,私の服には怒る。。。そのうち度々,リリやユリが死ぬ前に見せたような,斜め上を向いたうつろな表情を見せるようになった。ただ,2回ほど,温度計センサーと戦っているところを見た。

 ところで,生き残りのランプアイ。背骨が曲がっていたのに,いつのまにかまっすぐに戻っている。それに,昨日までは水面近くばかり泳いでいたのに,今日は真ん中あたりを泳いでいて変。身体をやたら小刻みに振るわせて泳いでいるのも変。いよいよ寿命が近づいているのだろうか?

2001年08月10日(金)

 モアジュが我が家に来て,丁度今日で1年2ヶ月だ。そして薬浴1週間。
 モアジュが治らないことは確実になったようだ。ウロコは“スポンジのようにボヨボヨに”なってきていて,いかにも痛々しい。それなのに,1回,センサーに闘いを挑んだ。ほんと,何度も思う。モアジュは最後までモアジュらしいんだね。
 昨夜与えた餌は,つついたあとはあるものの,朝になっても食べていない。朝,その餌を回収して新たな餌を入れたが,これもつついた形跡があるだけ。マツカサ病は治りにくいと,何を見てもかいてあるけど,体力があるはずのモアジュも,とうとう奇跡はおこせなかったということか。
 午後からのモアジュは,遠目にはまるで普通のように泳ぎ回っていることが多く,餌もつついて結局ほとんど食べてしまった。立派な糞もした。ウロコが悪化していっていないのなら,回復に向かっているのかと思うところだが,そうではないのはわかっている。

 去年買ってきてからのモアジュの写真を整理して眺めた。本当に可愛いモアジュ。特徴いっぱいで,自己主張が激しく,京都を去るときも私たちの支えになってくれたモアジュ。もう少し一緒に過ごしたかった。あと1年くらい一緒に過ごしたかった。初めて泡巣を作った日から,また10ヶ月しかたっていないのに,私の管理が悪かったんだね。ごめんね,モアジュ。

2001年08月11日(土)

 モアジュは,朝からヒラヒラと泳いでいる。遠目に見ると,行動は元気な頃とあまり変わらず,ちゃんと観察していない人だったら,病気に気づかないかもと思う。餌も食べるし,糞もする。朝から,ストローを水槽へ突っ込んで食べ残しの餌や糞の掃除をしていたときのこと。他に吸い取るべき汚物はないかと水面にストローを差し出したまま中を覗いていると,いつのまにかモアジュがストローの下にやってきてじっと見ている。試しにストローを動かしてみると,マグネットのようにストローについてきた。そしてしばらくして飛び上がってストローをつついた。病気なのに〜(^^;。モアジュの好奇心はぜんぜん衰えていない。クマノミのぬいぐるみを見て怒ることもそのまま,薬を溶かすときに使う割り箸を水槽の中に立ててあるのだが,それを何度もつついたりしていた。
 行動があまりに元気なので諦めきれず,Fishmanへ行って店の人にマツカサ病の薬はないかと聞いてみたが,「諦めた方がいい」とのこと。一番効く薬は小さな瓶で1000円以上もする高いものだが,それを投薬しても治るのは10匹に0.5匹くらいなのだそう。「マツカサ病」と聞いた瞬間に「ああ,ダメだよ」って感じだったので,もうモアジュの死を覚悟して諦めるしかないのだな,と思った。
 夜は,水換えをし,「グリーンFゴールド顆粒」と食塩で,同じ治療を続けた。延命措置にしかならないのだろうと思うが,モアジュとのひとときが1日でも長く続いてくれることを願って,治療を続けるだけ。美しかったウロコがボロボロになるところは見たくないが,モアジュはまだ元気に泳ぐし,遊ぶのだもの。

2001年08月12日(日)

 モアジュは,昨日の夜より元気が無く,ナナに挟まって動かないことが多い。時折泳ぎ回って,まだ割り箸に闘いを挑んだりもしている。餌は,ゆっくりだけど食べている。ウロコは尾の近くまで逆立ってきていて,病気は少しずつ進行しているという感じ。亮介が午後から仕事だったので,朝はゆっくりとモアジュを見ながら過ごした。今度の週末までこれほど元気とは思えないので,亮介とモアジュとで過ごす最後のゆっくりした時間だったのかもしれない。
 午後,1回だけ,突然勢い良く浮上し,怒って鰭を震わせてスイィースイィーと泳ぎ回った。こういうときの仕草を遠目に見ていると,元気なときとまるで変わらない。

2001年08月13日(月)

 モアジュは,朝から苦しそうにナナの葉っぱの間に挟まって呼吸をしている。昨夜与えた餌は食べておらず,朝から食べ残しと糞(最後の糞かもしれない)を回収している際に,こぼれていた餌の欠片を一粒だけ食べていたが,食べるのも,これが最後かも。ほとんど泳がず,空気を吸うときに浮上するだけ。但し,泳ぎからはまだしっかりしていて,息を吸った後にフラフラと落ちていくようなことはない。ナナの葉っぱへ戻っても,自分でじたばたしながら葉の奥にもぐっていく。本当に時々,思い出したように餌をつつき,割り箸をツン!とつつくところも一度だけ見た。
 一方,生き残りの最後のランプアイも,いよいよお仕舞いのようだ。上の方を泳ぐ元気がなくなってきたのは気がついていたが,今日はコリドラスのように底に着地している。昨夜の餌は食べていたけれど,今夜はダメかも知れない。この子も長い間,モアジュよりも長い間うちの水槽で泳いでくれた。京都から一緒にドライブして来た子たちがいなくなっていくのは寂しいなぁ。

2001年08月14日(火)

 今日のモアジュは,朝からナナの横でじっとしているだけで,ほとんど動くこともなくなった。時々空気を吸いに水面へ浮上するが,同じ場所へ戻って身体を倒して息をしている。餌もまったくつつかない。ほんの時々エンビ管にもぐる程度。泳ぎ方だけは,まだしっかりしている。残念だけど,もう,モアジュらしい姿を見ることはできなくなってきた。苦しそうだ。

2001年08月15日(水)

 モアジュはいよいよダメ。昨日までは空気を吸った後,一応泳いで着地していたが,今日は朝から落ちていく。一方,ランプアイは,朝,死んでしまった。たぶん,私の目の前で最後のバタバタをして,動かなくなった。しばらく待ったけどやっぱり動かないし,ドラが餌にしようとしていたので,取り出して,ラミやにげちゃんが眠っているスカローサの根本に埋めてあげた。

2001年08月16日(木)

 モアジュは,ほとんど横になったっきりで,空気を吸う以外は動かない。もう,エンビ管に隠れることもできなくなってしまったようだ。だけど,私の赤紫のポロシャツを見て,足を出してふるわせて,鰓を膨らませてこちらを見た。モアジュは最期までモアジュ。最期まで闘魚なのだった。。。

2001年08月18日(土)

 モアジュは横になってハァハァしているだけになったくせに,何と,クマノミのぬいぐるみを見ると怒って鰓を膨らませ,足をふるわせて泳ぎ回った。本当に本当に,死ぬ瞬間までモアジュらしいのかもしれない。餌は食べない。糞もしない。ウロコは尾のあたりや背鰭の周りなども逆立ってきて,全体に白く見えていて痛々しい。
 苦しんで痛々しいモアジュを見ていた亮介が,もうベタを飼わないと宣言。私は最期がいくら悲しくてももっといろんなベタと出会いたかったから,とても悲しい。また次のベタと出会うことが,モアやモアジュと暮らした経験を生かすことでもあると思うと慰めでもあったのだけど。

2001年08月20日(月)

 モアジュは,ほとんど寝たきり状態だけど,まだ空気を吸いながら生きている。亮介がクマノミのぬいぐるみを見せると,空気を吸って落ちていきながら一応鰓を膨らませた。横になって息だけしているモアジュに指を差し出すと,返事をするようにひれだけをヒラヒラと動かす。あまりやっていると面倒になるのか,反応しなくなる。
 もう,スイィーと泳ぐ姿も,帰ってきたときダダダとのぼってくる姿も,水換えした後グルグルッと泳ぎ回る姿も見ることはできない。この子は死んだも同然なんだなぁと思う。あまりに苦しそうなので,亮介と「もうそんなに頑張らないでいいよ。死んでもいいんだよ」と言うのだが,何が何でも頑張るモアジュ。ウロコが逆立ってオナモミのようになって痛々しい。

2001年08月21日(火)

 モアジュは,朝から寝たっきり。時々空気を吸いに水面へと泳ぐが,失敗も多くなってきた。いよいよ死期が近づいてきたなぁ,と思いつつ,いつものように朝から底に沈んだゴミを吸い取り,水面の油をとって,新しい水と塩を少し加えた。容態は夜まで変化なく,寝ているモアジュへ指を指しだしてみても,鰭をヒラヒラさせて挨拶することもなくなり,ちょっと苦しそうに身体をねじ曲げて挨拶をするだけ。

 夜,遅い風呂に入っていると,亮介が,「モアジュが死ぬよ」と呼びに来たので,慌てて風呂から出る。もう空気を吸うこともできなくなって,苦しそうにチャポンと跳ね上がり,グルグルッと泳ぎ回って暴れた後,ナナの上に横たわったという。私が行った時には,もう鰓もかすかにしか動いておらず,身体の色が白っぽく変化していた。
 テレビが「0時11分」と言う声を聞いてしばらくしてから,モアジュは突然苦しそうにもがいてナナの上から水槽の端っこへ動き,鰭をピクピクと痙攣させて息絶えた。身体が見る見るうちにまっ白になっていく。美しかった丸い尾だけが,いつまでもソリッドブルーのまま。やがて,身体が顔から黒ずみ曲がり始めた。亮介が「背骨が曲がっている」と言う。そうそう,モアジュは背骨が曲がっていたっけね。
 可愛かったモアジュ。京都から引っ越してくるとき支えてくれたモアジュ。家を売るとき慰めてくれたモアジュ。もう,温度計センサーに「チン!」と闘いを挑む姿も割り箸をつつく姿も見られない。私が赤い服を着ても膨れてくれない。1年2ヶ月半しか一緒に暮らせなかったのは,私の世話が下手だったためなのだろうか? さよならモアジュ。ありがとう。

 夜中だったけれど,モアジュの亡骸を水槽から取り出して,シルバースターの鉢に埋葬した。体調を測ってみると,身体を曲げていて正確ではないが,48mmくらいしかなかった。身体を伸ばしても,モアの53mmより小さかったのかもしれない。大きく見えたけど,意外に小さかったんだなぁ。
 モアとモアジュ。私と亮介がそろっている目の前で息を引き取った魚は,この2匹だけだ。知らないうちに死んでしまわなかった2匹は,やっぱり特別な魚だったのかもしれない。偶然かもしれないけれど,でも,魚の方でもわかってくれていた気がする。
 「8月22日午前0時15分。モアジュの命日」と,亮介が言った。
 新しい水槽を買ってあげて丁度1ヶ月,発病して20日目だった。

 モアジュの愛称:もあ,じゅ,じゅなこ,弾丸,番,番もあじゅ,番もあず,すいじゅ,ワズン,ヘビ,金粉もあじゅ,チンじゅ,チンもあじゅ,オナモミ(;_;)

2001年08月23日(木) 処暑

 モアジュを失った虚脱感は,どうしようもない。モアジュのために買った5Lの美しい水槽には,モアジュが来たときからモアジュのお守りしていたアヌビアス・ナナと石巻貝2匹が静かに生きている。モアジュだけがいない。風で揺れるカーテンの影が水底に写ると,それがモアジュの影のように思えて振り返ってしまう。

 ペットの魚を失って悲しむなんて,普通は考えにくいだろう。けれど,ベタだけは違う。1匹1匹が個性豊か過ぎて…。
 抱きしめることも撫でることもできない,水という手の届かない世界で生きるベタ。けれど,ベタは水槽の外の世界をよく見て知っている。たぶん,飼い主の顔も,自分が愛されていることも。


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