2016年4月の星空

 3月9日に衝を迎えた木星が21時前後に南中となり観望好期です。南の空高く,ひときわ明るく輝いているのが木星ですから見間違うことはありません。
 春先は大気の揺らぎも少なく望遠鏡での惑星観測に適する季節で,木星なら月がある夜でも見ることができます。自分で望遠鏡を持たない方も,公共天文台の観望会などに参加して木星の縞模様を楽しんでみてください。

 18日の夕刻西空では水星が東方最大離角を迎えますが,この日の19時の地平線高度は10度で,水星としては異例の見やすい高さとなります。それでも十分に低い位置ですので,西空がよく開けた場所で双眼鏡など使って捜してみましょう。

2016年4月18日 午後7時の水星
2016年4月18日 午後7時の水星

 5月下旬にを迎える火星,6月上旬に衝を迎える土星が,夜半前の南東の空でだんだん見やすくなってきます。
 2009年に真横から見た土星の環は 2019年へ向かって開いている最中で,小望遠鏡でも土星らしい姿が楽しめます。望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。

2016年4月18日夜の火星と土星
2016年4月18日夜の火星と土星

 22日に極大を迎える4月こと座流星群は,痕を残す明るい流星が多く1時間に15個程度期待できる群ですが,今年は昼間に極大を迎える上に満月となり条件最悪です。流星観察はゴールデンウィーク後半のみずがめ座η群の条件が最良となりますので,そちらに期待しましょう。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 らしんばん座
 【中旬】 ほ座
 【下旬】 うみへび座 ・ カメレオン座(☆) ・ こじし座 ・ しし座 ・ ポンプ座 ・ ろくぶんぎ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団


 【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
 【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 下弦の月 下弦:0時17分
2 こじし座 R(周期372日,変光範囲6.3等-13.2等)が極大光度
3 こぎつね座 R(周期137日,変光範囲7.0等-14.3等)が極大光度
4 清明:17時28分。太陽の黄経が 15度になる。
7 新月 新月:20時24分
8 月が最近:2時36分。視直径33分26秒
10 準惑星 冥王星が西矩:2時10分
天王星が:12時40分
11 ペガスス座 R(周期378日,変光範囲6.9等-13.8等)が極大光度
14 上弦の月 上弦:12時59分
16 春の土用の入り:22時48分。太陽の黄経が 27度になる。
18 水星が東方最大離角:22時59分(+0.1等,離角19°.9)
20 穀雨:0時29分。太陽の黄経が 30度になる。
21 C/2013 X1 PANSTARRS彗星が近日点を通過
22 満月 月が最遠:1時5分。視直径29分24秒
満月:14時24分
4月こと座流星群が極大:時(条件最悪):15時
うしかい座 R(周期223日,変光範囲6.0等-13.3等)が極大光度
24 小惑星(3)ジュノーが最近(2.296au):17時26分
26 アンドロメダ座 R(周期409日,変光範囲5.6等-14.9等)が極大光度
30 下弦の月 下弦:12時29分