2016年5月の星空

 例年ゴールデンウィーク中に観測されるみずがめ座 η流星群の極大は 6日(金)の明け方で,新月前の良好な条件となります。1時間に15個程度の観測が予想される流星群で,5月上旬は出現を期待できます。できるだけ月明かりのない前半に観測するようにしましょう。

 8日夜にアルデバラン(おうし座α)の食がありますが,食の前後には月とアルデバランが接近した様子を観測できます。月と恒星の位置関係が変わってゆく様子を時間をおいて観察してみてください。

水星の日面通過(1993-11-06)
水星の日面通過(1993-11-06)

 9日の水星の日面通過=水星が太陽面を通過する現象は,2006年月以来10年ぶりです。残念ながら日本では見られませんが,東アジアやオーストラリアを除く広範囲で観測可能となります。
 なお,次の水星日面通過は2019年11月に起こります。

 惑星は,22日に火星がさそり座で,来月3日に土星がへびつかい座を迎えます。衝の頃の惑星は,日没頃には東の空に昇り,真夜中に南中,日の出の頃に西空へ没するため一晩中見えています。
 夏の星座で衝を迎える惑星は比較的低い位置で南中するため,シーイングの影響を受けやすくなります。しかしながら春はシーイングが比較的安定する季節ですから,穏やかによく晴れた日があれば望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。

 土星は2009年に真横から見た環が,2019年へ向かってどんどん開いており土星らしい環を伴った姿が小望遠鏡でもわかりやすくなっていますので,スケッチして今年の姿を記録しておきましょう。来年また土星を見たときに環の開き具合を比較すると違いがよくわかります。
 火星は,5月の衝は中接近になります。火星と地球の軌道の関係については,火星の大接近のページをご覧ください。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 おおぐま座コップ座
 【中旬】 
 【下旬】 かみのけ座 ・ からす座 ・ はえ座(☆) ・ みなみじゅうじ座(☆)

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
 【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
 【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 八十八夜
小惑星(3)ジュノーが(10.0等,てんびん座):8時35分
5 立夏:10時42分。太陽の黄経が 45度になる。
6 みずがめ座 η流星群が極大:23時(条件最良)
月が最近:13時13分(視直径33分23秒)
7 新月 新月:4時30分
8 アルデバランの(東京:潜入):18時35分 / (東京:出現):19時29分
9 水星の日面通過(日本は夜間にあたり見えない):20時12分~
10 水星が内合:0時37分
14 上弦の月 上弦:2時2分
金星と水星が接近(0°26’):05:48
16 おとめ座 R(周期146日,変光範囲6.1等-12.1等)が極大光度
18 わし座 R(周期270日,変光範囲5.5等-12.0等)が極大光度
19 月が最遠:7時6分(視直径29分26秒)
20 小満:23時36分。太陽の黄経が 60度になる。
21 小惑星(2)パラスが西矩
22 満月 満月:6時14分
火星が:11時(さそり座,-2.1等,視直径18″.4)
25 小惑星(4)ベスタが
26 こいぬ座 R(周期338日,変光範囲7.3等-11.6等)が極大光度
29 下弦の月 下弦:21時12分
31 火星が最接近:06時34分(てんびん座,-2.0等,75279709km)