2016年10月の星空

 安定した晴れの日が多く日暮れが早く空が高く澄む十月は,星を見るには良い季節です。宵の頃には夏の大三角が西空に輝き,夜半前には東の空から賑やかな冬の星座たちが上ってきます。有名なギリシア神話に彩られた秋の星座たちは,ペガススの四辺形からたどってみましょう。

 8日夜に極大を迎えるりゅう座流星群(ジャコビニ流星群)は,極大時刻に上弦の月が出ていますが,秋の月は低い位置を通るため観測条件はまずまず。周期群から定常群へ移行しつつある流星群で,母天体ジャコビニ・ジンナー彗星の回帰が2年後の2018年9月であるため,2年後に向けて観測しておくと良い記録になるでしょう。輻射点が早めに沈んでしまうので観察時間帯は日没から夜半前まで。非常にゆっくりとした流星がふわっと飛ぶのを見かけたら,ジャコビニ流星群の流星です。空の暗い場所でしっかりと防寒対策をして観察しましょう。
 流星観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。

 13日の夜は名月十三夜です。
 十三夜は日本独特の行事で,日本では,お月見は中秋の名月と後の名月(十三夜)の両方の名月を見るものとされ,どちらか片方だけ見るのは“片見月”として忌み嫌われました。9月の中秋の名月を見た人は,ぜひ十三夜も見上げてみてください。

 16日にを迎える天王星が観望好期です。天王星はとても暗い空の下,視力の良い人であればかろうじて肉眼で確認できる程度の明るさです。小さな双眼鏡などがあれば,確認しやすくなります。小望遠鏡では面積を持った円盤状に見ることができます。自分でさがすのが難しい人は,ぜひ公共天文台の観測会などに参加して見せてもらいましょう。

 22日のオリオン座流星群は,1時間に10~20個の流れ星が観測される流星群で,痕を伴う明るい高速流星が特徴です。しかし今年は輻射点の近くに下弦前の月があり条件はよくありません。


南中する星座 (秋の星座秋の全天星図

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。

 【上旬】 インディアン座(☆) ・ こうま座はちぶんぎ座(☆) ・ やぎ座
 【中旬】 ケフェウス座
 【下旬】 つる座とかげ座ペガスス座みずがめ座みなみのうお座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表

 【惑星状星雲】 M27 (あれい状星雲,こぎつね座), M57 (環状星雲,こと座), NGC7293 (らせん状星雲,みずがめ座)
 【散光星雲】 NGC7000 (北アメリカ星雲,はくちょう座)
 【球状星団】  M2 (みずがめ座), M15 (ペガスス座), M30 (やぎ座), M56 (こと座)


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 新月のイメージ 新月:9時11分
3 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時58分
4 月が最遠:20時3分(視直径29分25秒)
5 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時47分
8 寒露:5時33分。太陽の黄経が 195度になる。
ちょうこくぐ座 R(周期391日,変光範囲6.7等-13.7等)が極大光度
ジャコビニ流星群(りゅう座流星群)の極大:21時(条件良)
9 上弦の月のイメージ 上弦:13時33分
おとめ座 R(周期146日,変光範囲6.1等-12.1等)が極大光度
10 体育の日
準惑星 冥王星(134340)が東矩:17時42分
11 木星と水星が0°52′に接近
13 十三夜(後の月)
へびつかい座 R(周期307日,変光範囲7.0等-13.8等)が極大光度
16 満月のイメージ 天王星が:1時38分(+5.7等,うお座
満月:13時23分
17 月が最近:8時34分(視直径33分23)
20 秋の土用の入り:8時23分。太陽の黄経が 207度になる。
21 準惑星(1)ケレスが最大離角:21時27分
22 オリオン座流星群が極大(条件悪)
23 下弦の月のイメージ 下弦:4時14分
準惑星(1)ケレスが最近(1.8997au):4時34分
霜降:8時46分。太陽の黄経が 210度になる。
25 準惑星(1)ケレスが:11時2分(+7.4等,くじら座
26 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:1時29分
27 水星が外合:18時5分
28 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時18分
29 小惑星(4)ベスタが西矩:22時16分
30 金星と土星が3°02′に接近
31 新月のイメージ 新月:2時38分