2017年3月の星空

 春は天気が安定せず雨が多かったり空が霞んでいたりしますが,来月上旬にを迎える木星が,東の空,おとめ座にあって徐々に見やすくなってきています。風が強い日は大気のゆらぎが激しく望遠鏡を覗いてもなかなか像が安定しませんので,天体望遠鏡をお持ちでしたら風の弱い穏やかな日に見てみてください。目が慣れてくるとだんだん縞模様が見えるようになってきます。スケッチなどしてみると模様を把握しやすくなります。

2017年3月10日 22時の木星
2017年3月10日 22時の木星

 17日には金星と水星が接近しますが,水星は6日に外合を迎えたばかり,金星は23日に内合を迎える直前で太陽に近く,日没直後の地平線近くで見るのはかなり厳しいでしょう。水星の地平線高度は約7°,金星は11°です。ほぼ真西の方角なので,太陽が沈んでから双眼鏡を使って探してみましょう。太陽が出ている間は決して双眼鏡を向けてはいけません。

2017年3月17日 18時の水星と金星
2017年3月17日 18時の水星と金星

 18日のてんびん座γは,今年見られる接食の中でも最も条件の良いものです。接食の線上へ行くことができる人は,ぜひ月の凹凸に見え隠れする星の姿を楽しんでみましょう。接食の起こる地域より北では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。接食は若狭湾から名古屋を結ぶ線上で見られます。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 いっかくじゅう座ふたご座
 【中旬】 こいぬ座とびうお座(☆) ・ とも座やまねこ座
 【下旬】 かに座りゅうこつ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M44 (プレセペ,かに座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
2 海王星が:20時27分
おとめ座 R(周期146日,変光範囲6.1等-12.1等)が極大光度
3 月が最近:16時33分(視直径32分22秒,0.960)
5 上弦の月 啓蟄:18時33分。太陽の黄経が 345度になる。
上弦:20時32分
6 水星が外合:13時51分
10 2P/エンケ周期彗星が近日点を通過
12 満月 満月:23時54分
17 春の彼岸の入り
水星が金星の南9°33′:18時21分
土星が西矩:19時43分
18 てんびん座γ(3.9等)の限界線星食(中部地方,南限界):1時41分
19 月が最遠:2時25分(視直径29分31秒,1.0053)
20 春分:19時29分。太陽の黄経が 0度になる。
21 下弦の月 下弦:0時58分
23 金星が内合:12時42分
28 新月 新月:11時57分
30 月が最近:16時33分(視直径32分49秒,0.947)