2017年11月の星空

 11月は日暮れが早く,空は澄んでおり,また晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。

 2017年の11月は名月,十三夜で始まります。
 十三夜は日本独特の行事です。お月見は中秋の名月と後の名月(十三夜)の両方の名月を見るものとされ,どちらか片方だけ見るのは“片見月”として忌み嫌われました。10月4日の中秋の名月を見た人は,ぜひ十三夜も見上げてみてください。

 3日,有名な長周期変光星(ミラ型)はくちょう座χが極大を迎えます。
 長周期変光星は脈動により明るさが変わる変光星で,明るさの変動がとてもダイナミックです。暗い時期は見えませんが極大の頃は肉眼で見ることもできるほどの明るさになります。
 長周期変光星の極大日はあくまで予想の日付,また極大日のみが特別明るいというものでもありません。極大前後1カ月くらい明るい状態が続きますので,晴れた日にさがしてみましょう。長周期変光星の実際の極大日は観測結果に基づき後から割り出されます。
 はくちょう座は夏の星座ですが,夕刻はまだ西空に見えています。
 変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。

 6日に極大を迎えるおうし座南流星群は,満月直後で今年の条件は最悪ですが,10月初旬から11月末まで長い期間流れます。1時間に5個程度の小さな流星群ですが,月回りが良くなる今月後半あたりからは観測条件も良くなります。18日にはしし座流星群が好条件で極大を迎えますので,合わせて観察できます。
 しし座流星群は,母天体のテンペル・タットル彗星が2014年に遠日点を通過し活動が低下していますが,1時間に10個程度は期待できます。痕が残る高速の流星を見かけたら,しし座流星群の流れ星です。
 流星観察は,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう

 24日の夕空では,水星が東方最大離角を迎えますが,日没直後の17時の地平線高度が6度。地平線まで見えるような空の開けば場所へ行かないと見つけるのは難しいでしょう。南西の方角で,すぐ近くの土星を目印に双眼鏡を使って捜してみて下さい。

水星の東方最大離角 (2017-11-24)
水星の東方最大離角 (2017-11-24)

南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬
中旬 きょしちょう座(☆)
下旬 アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

秋の星座 秋の全天星図
 
 

見やすい星雲星団

惑星状星雲 NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散開星団 M34 (ペルセウス座)・M52 (カシオペア座)・h-χ (二重星団/ペルセウス座)
球状星団 M2 (みずがめ座)・M15 (ペガスス座)・M30 (やぎ座)
銀河(系外星雲) M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)・M33 (さんかく座)・M77 (くじら座)

星雲星団を見よう 星雲星団一覧表
 
 


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 十三夜(後の月)
2 小惑星(2)パラスが最近(1.695au)
アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:19時25分
3 文化の日
はくちょう座 χ(周期408日,変光範囲3.3等-14.2等)が極大光度
4 満月のイメージ 満月:14時32分
5 おうし座流星群が極大(条件最悪)
6 月が最近:9時10分(視直径33分03秒,0.940)
7 立冬:14時38分。太陽の黄経が 225度になる。
うみへび座 R(周期380日,変光範囲3.5等-10.9等)が極大光度
9 小惑星(2)パラスがろ座,+8.2等):13時56分
わし座 R(周期271日,変光範囲5.5等-12.0等)が極大光度
11 下弦の月のイメージ 下弦:23時46分
レグルスの 札幌:潜入:23時46分
13 木星と金星が接近(0°17′):15時10分
14 準惑星(1)ケレスが西矩:2時45分
16 くじら座 R(周期166日,変光範囲7.2等-14.0等)が極大光度
17 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:3時30分
18 新月のイメージ しし座流星群が極大(条件最良):1時
新月:20時42分
20 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:0時19分
22 月が最遠:3時53分(視直径29分25秒,1.057)
小雪:6時22分。太陽の黄経が 240度になる。
アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:21時7分
23 勤労感謝の日
24 水星が東方最大離角:9時27分(-0.3等,離角22°.0)
27 上弦の月のイメージ 上弦:2時3分
28 水星と土星が接近(3°03′):18時28分