vsolj-news 145: Nova Sct 2005

                        VSOLJ ニュース (145)

   福岡の高尾明さん、愛知の長谷田勝美さん、たて座に新星を発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  現在、北半球から見える星空で出現する新星は、ほとんどが日本人によって
発見されています。これは、日本のアマチュア天文家の活躍ぶりを如実に示す
ものと言えます。このたび、福岡県北九州市の高尾明(たかおあきら)さんと、
愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんが、夏の天の川のなかにあるた
て座に11等級ほどの新星を発見されました。おふた方とも、これまでにたくさ
んの新星を発見されてきたベテランの観測者です。

  高尾さんと長谷田さんがこの新星を捉えたのは9月30日のことです。南半球
のチリにあるASAS-3自動撮像システムでは、この天体を9月28日に捉えていま
したが、自動的な検出にはいたらなかった模様です。天体の位置は、
  赤経: 18時32分04.75秒
  赤緯: -6度43分34.3秒 (2000年分点)
で、1988年の写真ではこの位置には21等より明るい天体はありません。また、
ASAS-3が9月24日に撮影した画像でもこの天体は増光していませんでした。急
激な増光とその幅とから、この天体は新星であろうと推測されてますが、今後
の分光観測が待たれるところです。

参考文献: IAUC 8607 (2005 Oct. 1)

                                                        2005年10月2日

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