vsolj-news 151: Possible Nova in Sagittarius

                        VSOLJ ニュース (151)

          愛知の山本さん、いて座に新星らしき天体を発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  新星は、天の川の方向でたくさん発見されます。私たちの銀河系の中心方向
にあたるいて座では、新星が数多く見つかっていますが、毎年冬の時期には太
陽がいるため、この方向の観測はできません。明け方の東の空にいて座が見え
る毎年この時期は、新星シーズンの到来とも言える季節です。

  そのいて座に、今年も新星が発見されました。世界最初の発見は、チリの
Lillerさんで、2月17.37日(世界時、以下同様)に撮影した写真上に、9.0等の
新しい天体を見いだしました。5.36日に氏が撮影した写真では、11.0等より明
るい天体は見当たりません。また、愛知県岡崎市の山本稔(やまもとみのる)さ
んも、17.84日に撮影したデジカメ画像で、8.6等の天体を発見しました。山本
さんが測定した位置は、

    赤経:  17時58分54秒
    赤緯: -36度47分40秒 (2000年分点)

で、さそり座といて座の境界、わずかにいて座に入ったところになります。

  分光観測などはまだですが、この位置には昔の写真にも天体が見られないこ
と、X線や赤外線で明るい天体もないことなどから、古典新星である可能性が
高いものと思われます。

  明け方の薄明が始まる時点で、チリ北部ではこの空の場所は高度40度ほどに
もなり、観測しやすいところですが、日本では高度10度ほどにしかなりません。
日本のアマチュア天文家の熱心さをまたひとつ示した発見と言えるでしょう。

参考文献: CBET 405 (2006 Feb. 18)

                                                        2006年2月19日

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[vsolj-news] Re: vsolj-news 151: Possible Nova in Sagittarius

山岡@九大理 です。

vsolj-news 151でお伝えしたいて座の新星らしき天体は、発見者のLillerさん
が分光を行なって、古典新星であることが確認されました(CBET 407, IAUC
8673)。また、この新星には、V5117 SgrというGCVS名が付けられました。

#Nova Oph 2006(IAUC 8671)にはまだGCVS名がついていません。なぜだろう。

                        九州大学(六本松地区)理学部物理学教室  山岡  均
                        〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1
                        yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp