2009年5月30日。
「71形車両に乗って、車庫内を見学しよう」というイベントへ行ってきました。(Snowowlの日記)
会場の北熊本は,同じ熊本市内といえど家から遠く,しかも生活範囲から逸脱していて行くことのない場所。もちろん熊本電鉄の電車とも縁がなく,普段は乗る機会どころか見る機会すら全く無いため,よい機会でした。
北熊本駅へ着くと改札は解放されており,ホームや倉庫へ自由に入って見学できるようになっていて,倉庫の前にはモハ71形(被爆電車),元東急5000系(青ガエル),元東京都交通局6000形が並んでいました。
明らかにイベント目当てで遠方からやってきたと思われる鉄道ファン風の人や親子連れ,それなりの賑わいですが,そこは人が少ない熊本。人垣で目的の電車が見えないとか,電車に乗るのに長蛇の列ができるようなことはなく,喉かなもの。
まずは倉庫の中をじっくり見て回りました。
そこはかとなく昭和な雰囲気が漂う倉庫には,何やら理系回路が刺激される機械がいっぱい。思わず長居をしてしまいました。
Camera: Nikon D200
※写真をクリックすると大きな写真が見られます。 | ||
イベントの目玉は当時の雰囲気にリニューアルされたモハ71形(通称“被爆電車”)。
元国鉄モハ71形は熊本電鉄で最も古い車両で,この形の電車は戦時中に広島で活躍して被爆したものが多く,被爆電車と呼ばれているそうです。熊本電鉄に唯一残るモハ71形は原爆投下時に丁度下関で検査を受けており被爆しなかったそうですが,既に廃車になった他の2輌は被爆していたとのこと。
レトロな車内は美しくリニューアルされ,見学者たちは思い思いに写真を撮ったり寛いだりしています。
モハ71形の隣に止められている緑の電車は,元東急5000系(通称「青ガエル」)。現役で通常運行されている車輌ですが,こちらも車内の見学ができるようになっていました。
現役の電車なので,車内の路線図や運賃表は現在のもの。
展示された電車の横には古い道具が並び,その隣は飲み物販売などのブース。
展示品を眺めていると,モハ71形の試乗をするとのアナウンスがあり,モハ71形のパンタグラフがゆっくりと上がりました。
木の座席に座った見学者たちを乗せて,モハ71形はホームの横に止められている青い200形の向こうまで走り,また同じ場所へ。私は乗ってみましたが,外でビデオを撮った方が面白かったかも?
水色と青のペイントに赤い帯が走る車輌は,200系電車(元南海22000系)。1998年に熊本電鉄へやってきた車輌で,古い車両独特の温かみのあるフォルムをしています。
200形を撮っていると,向こうから青ガエル。反対方向からは元東京都交通局(都営地下鉄三田線)の6000形が走ってきました。遠くの鉄道会社で役目を終えた車輌が,熊本の地を元気に走る。何だかとても素敵な風景に思えました。
ミント・グリーンに塗られた柱や桟がレトロな雰囲気を醸し出す木造の北熊本駅。
昔映画で見たような雰囲気の待合室は,中に座って周囲を見回していると,21世紀であることを忘れそう。 |