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A300は,日本エアシステム(JAS)の前身,東亜国内航空(TDA)が初のワイドボディ機として導入した期待の機材だった。TDAが,A300導入と同時に,機体カラーをエアバス社のメーカー塗装を引き継いだレインボーカラーに変更したことからも,A300導入にかける意気込みが窺える。
最初のA300はフライトエンジニアが乗るB2型だったが,日本エアシステムと社名が変わった後,2マン・クルーを実現した中距離用ハイテク機 B4-600Rが次々と導入され,A300は,間違いなくJASの路線拡大への功労機として一時代を築いたのだった。
JASとJALの統合から既に何年も過ぎ,JASのレインボーカラーもすっかり消え去り,機材統一の波にさらわれたA300は,1機また1機と売却され,日本の空を去っていった。
21世紀の幕が開けた頃,どこの空港でも当然のように見ることができたJASのA300が,鳥の翼のように優雅な主翼を持ったA300が,いまとても懐かしい。
(2009年1月記)