10月の星空
十月に入ると秋雨前線が遠のいて晴れる日が多くなり,また大陸の乾いた空気に覆われるため空が澄んで,星が美しい季節となります。秋の空には明るい星が少なく寂しい印象がありますが,2000年は夜半近くになると,おうし座に位置する木星と土星が東の空高く昇り,にぎやかです。秋の夜長に夜更かししたら,ちょっと窓の外を眺めてみましょう。
惑星は,木星と土星が夜半以降に観測可能となるほか,6日に水星が東方最大離角を迎え,夕方の西空で金星と並び観測しやすくなります。しかし,東方最大離角といっても秋は地平線に対する黄道の角度が小さいため,水星の高さは日没直後で10度を切っており,西が開けた場所でないと見るのは難しいでしょう。
17日のおうし座δ星星食(えんぺい)は,北海道から沖縄までの各都道府県で見ることができ,4時4分というのは,食が深い札幌での出現時刻です。満月を過ぎた月の明るい部分に月が潜入し,暗い部分から出現するところを見ることができます。
20日のふたご座δ星の接食は,2000年中に起こる北限界の接食としては,かなり条件の良い接食です。接食は長崎県大村湾・福岡県柳川市・大分県国東半島・兵庫県姫路市・福島県いわき市を通る線で見られ,この線より南側の地域では,星が月に隠される星食となります。
21日午前4時に極大を迎えるオリオン座流星群は,下弦を過ぎて月明かりの影響も少なくよい条件です。ハレー彗星関連の流星群で,極大の頃では1時間あたり15個程度の流星が見られる可能性があります。
流星観測については,こちらをごらん下さい。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 インディアン座(☆) ・ こうま座 ・ はちぶんぎ座(☆) ・ やぎ座
【中旬】 ケフェウス座 ・ ・
【下旬】 つる座 ・ とかげ座 ・ ペガスス座 ・ みずがめ座 ・ みなみのうお座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜日 | 月 | 天文現象 |
5 | 木 | 上弦:19時59分 | |
6 | 金 | 水星が東方最大離角(0.0等,離角25度31秒)。 | |
8 | 日 | 寒露:太陽の黄経が 195度になる。 ジャコビニ流星群の極大(見られる可能性あり)。 | |
13 | 金 | 満月:17時53分 | |
17 | 火 | おうし座δ星(3.9等)の星食:4時4分 | |
20 | 金 | 下弦:16時59分 秋の土用の入り:太陽の黄経が 207度になる。 ふたご座δ星(3.5等)の接食:1時1分 | |
21 | 土 | オリオン座流星群が極大(4時)。 | |
23 | 月 | 霜降:太陽の黄経が 210度になる。 | |
27 | 金 | 新月:20時34分 |