6月の星空
梅雨空で星空観望もままならない季節ですが,今年は惑星の話題が盛りだくさんです。
まず,6日に冥王星が衝を迎えます。冥王星は暗くて大望遠鏡がないと見ることができませんが,衝の頃は+14等まで明るくなります。それでも10cmクラスの望遠鏡では厳しいかもしれませんが,望遠鏡の限界に挑戦しながら探してみてもよいでしょう。
次は8日の金星の西方最大離角。明けの明星金星が,太陽から離れて高々と輝きます。
そして最も注目に値するのが,13日に衝を迎え,22日に中接近する火星でしょう。(火星の位置)
火星は2年2ヶ月ごとに地球へ接近しますが,軌道が楕円であるため接近のたびに地球からの距離が違っており,今回の接近は中接近となります。
惑星は,何度も何度もよくよく見ていると,だんだん表面の模様が見えるようになっていきますので,望遠鏡を持っている人はぜひ何回でも火星を見てみてください。できればスケッチをすると,模様を見る目が養われます。
火星の表面の模様は1時間もすると変わっていきますから,一晩に何回も観察してみると,自転の様子がわかります。
27日のポン・ウィンネッケ流星群は,1998年に突然的に多数の流星が流れて騒がれました。今年も条件がよいので注目してみましょう。
なお,21日の新月には皆既日食が起こりますが,皆既帯はアフリカ大陸の南を通り,日本から見ることはできません。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 おとめ座 ・ ケンタウルス座 ・ りょうけん座
【中旬】
【下旬】 うしかい座 ・ コンパス座(☆)
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M51 (子もち星雲,りょうけん座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜日 | 月 | 天文現象 |
5 | 火 | 芒種:太陽の黄経が 75度になる。 | |
6 | 水 | 満月:10時39分 冥王星が衝:02時(+14等,へびつかい座) | |
8 | 金 | 金星が西方最大離角(-4.3等,離角45度50分) | |
11 | 月 | 入梅:太陽の黄経が 80度になる。 | |
13 | 水 | 火星が衝(-2.3等,へびつかい座) | |
14 | 木 | 下弦:12時28分 木星が合 | |
21 | 木 | 新月:20時58分 夏至:太陽の黄経が 90度になる。 | |
22 | 金 | 火星が中接近(-2.3等,視直径20秒8) | |
27 | 水 | ポン・ウインネッケ流星群が極大:19時 | |
28 | 木 | 上弦:12時20分 |