鯉山(こいやま) 室町通六角下ル

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 登龍門の故事がテーマで,中国の黄河中流にある龍門の滝を上る鯉の姿を表している。
 この滝を上ることができる鯉は龍に姿を変えると言われることから,登龍門は,困難を通り抜ければ立身出世の道が開かれる関門を意味し,鯉山では立身出世のお守りが授与される。

 鯉山の象徴とも言える躍動感あふれる鯉の像は,八幡山の鳩と同じく左甚五郎の作。滝に見立てた白麻緒を勇ましく睨みつけている。
 朱塗鳥居を全面においたたて山で,奥には朱塗の小祠(ほこら)を安置,そこに素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っている。

 前懸・胴懸(2枚)・水引(2枚)・見送は,重要文化財に指定されている16世紀のベルギー・ブリュッセル製毛綴“トロイア王の図柄”で,1枚の毛綴織を分割裁断したもの。ベルギー王室美術歴史博物館の調査によると,古代ギリシアの詩人ホーロメスの『イリアッド』(イーリアス物語:トロイア戦争などを描く前8世紀頃のギリシアの長編叙事詩)の一場面,トロイア最後の王プリアモスと后ヘカベーの姿を描いているということだ。
 これらは順次復元新調され,1989(平成元)年に見送,1992(平成4)年に前懸,1995(平成7)年と1997(平成9)年に胴懸,1999(平成11)年に左右の水引が新しくなっている。
 トロイア王の図柄とは別に,インド更紗の旧胴懸を所持する。

 滝を上る鯉の山にふさわしく,欄縁その他の金具は全て波濤文様。

 


 

新町通の巡行


新町通を行く鯉山

 


 

雨の巡行

宵山の様子 | 写真集


※関連リンク: 祇園祭鯉山町衆 (鯉山町衆のホームページ)



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