神無月

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田んぼの写真

 金色の波がうねるように,稲穂が風にそよいでいます。道端では,セイタカアワダチソウが柔らかな秋の日差しをあらそうように,天に向かって黄色い花を咲かせています。

 十月は,春夏に育った植物たちが実を結ぶとき,また,春に生まれた動物の子ども達が最初の冬に備えるとき。ひとつの季節の区切りとして,古来神に感謝をささげる季節でありました。
 十月の古称神無月(かんなづき)には,そんな姿が見え隠れします。

 神無月の語源として一番知られているのは,日本中の神様が出雲の国に集まって会議をするため,神がいない月として神無月と呼ばれるようになったというものでしょう。逆に,神々が集まる出雲では,この月を神在月(かみありづき)と呼びます。

 また,神無月の「な」は「の」と同じ意味であるとも解釈でき,収穫祭の月でもあることから,神な月=神の月,即ち神祭りの月が語源であるとも言われます。
 他には,雷のない月であることから雷無月(かみなづき),新米で酒を醸造する月であることから醸成月(かもなしづき),が神無月の語源説として知られます。

 あなたの十月も,実りの季節となりますように。


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