寒露と霜降

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コスモス

 十月になると,西日本の厳しい残暑もようやく一段落。山間部や北日本ではそろそろ本格的な冬支度でしょうか。日差しは和らぎ,乾燥した大陸の気団に覆われ,空も高く澄んできました。そんな十月に迎える二十四節気は,寒露と霜降。冬を予告しているようですね。
 二十四節気は,太陽の黄道上の位置によって決められた季節区分で,太陽の黄経が0度になった時を“春分”と呼び,そこから太陽が15度進むごとに,清明・穀雨・立夏・小満…と呼ばれます。

 毎年10月8日頃に迎える寒露(かんろ)は,“露が冷気にあって凍りそうになる頃”という意味で,天文学的には太陽の黄経が195度になったときのことです。晩秋から初冬の頃に降りる露のことを,寒露と呼ぶこともあります。

 また,10月23日頃に迎える霜降(そうこう)は,“露が冷気によって霜となって降り始める頃”という意味。このときの太陽の黄経は210度です。
 霜降という言葉は霜が降りることを指して使う場合もありますが,転じてこれを“しもふり”と読むと,霜のような細かい白い点が一面にある模様を指します。そういえば,白い脂肪が網の目のように入りこんだ牛肉のことも“しもふり”と呼びますね。


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