キク(菊,chrysanthemum)

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キク
【英国の花言葉】 白 : 清浄,真実
 赤 : 愛情
 黄 : 片想い

 深まる秋と共に各地の公園や植物園などで,菊花展や菊人形展が行われます。奈良時代初期に中国から伝わったとされる栽培菊は,日本の秋に欠かせない花ですね。

 キクは,古くは『古今集』に歌われ,『源氏物語』をはじめ多くの文学作品に登場します。平安時代の宮中では,重陽の節句に菊酒を飲んで長寿を願う菊の宴が行われていたことも知られています。
 キク作りが庶民へ広がったのは江戸時代とされ,それ以降急速に育種が進んで今日見られる多くの美しいキクが誕生しました。

 栽培キクは,唐代頃の中国中部でチョウセンノギクとシマカンギクの交雑によって生まれた雑種と言われます。
 花の少ない秋に霜を冒して香り高く咲くキクは,中国ではウメ,タケ,ランと共に四君子の一つに数えられ,君子の花として,そして妙薬としてもてはやされてきました。


 英名にもなっている属名の Chrysanthemum は,chrysos(黄金色の)及び anthemon( 花)というギリシア語の合成で,地中海一帯に自生するシュンギク類の鮮黄色の花に基づいてつけられたものです。
 ヨーロッパへは17世紀に日本から伝えられましたが,1798年にフランス人ブランカール(P.L.Brancard)が中国からマルセイユに持ち帰った後,本格的に栽培されるようになったということです。


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