ピーマン(甘唐辛子,西洋唐辛子,green pepper,bell pepper,
  Capsicum annuum L.var.grossum Sendt.)

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ピーマンの画像

 艶やかで肉厚な果皮が美しいピーマンですが,一番多く出回っている緑色の中果種は青臭く,セロリと共に好き嫌いが分かれる野菜ですね。

 ピーマンは,よく似た形をした日本原産のシシトウ(シシトウガラシ)と同じくナス科の一年生草本で,中南米原産。トウガラシの中で,特に甘味種をピーマンと呼んでいます。
 ピーマンの名は“トウガラシ”のフランス語 piment(ピマン)が由来,トウガラシ属の学名 Capsicum(カプシクム)は“小さな箱”を意味するラテン語で,中が空洞になった様子を表しています。

 栽培はコロンブスがヨーロッパへ持ち込んだ後に始まり,甘味種の改良は,主に北方の国々で行われました。
 日本では江戸時代に土着のシシトウが栽培されており,明治以降に数種の西洋品種が導入されたものの好まれず,昭和30年代以降の食生活の西洋化と共に普及しました。

 最も一般的な緑のピーマンは,大果の西洋種と在来種の交配による日本の品種で,赤・黒・茶・黄色・オレンジ・紫・白などカラフルで大きなものは欧米品種です。様々な色のピーマンも,完熟させるとほとんど赤や黄色,オレンジに変化し,青臭さもなくなり甘味が増します。

 露地物が出回る7月〜10月は値段も安くなりますし,ビタミンAとCが豊富なピーマンは,日焼けして疲れた肌をいたわってくれます。苦手な方も,細かく刻んでハンバーグなどに混ぜて食べてみてはいかがでしょうか。


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