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秋,落ち葉が積もる季節になると,昔は焚き火で焼き芋を作ったものでした。サツマイモの収穫が最盛期を迎えるのも,この落ち葉の季節。9月〜10月です。
サツマイモはヒルガオ科の蔓性植物で,原産地はメキシコや中央アメリカなどの熱帯地方。この地域では紀元前2000年の昔から食されていた歴史があります。
ヨーロッパ経由で16世紀末になって中国へ伝えられたサツマイモは,1597年に琉球の宮古島へ上陸し,そこではカライモ(唐芋)と呼ばれました。その後,薩摩へと伝えられてリュウキュウイモ(琉球芋)と呼ばれ,1735年,青木昆陽によって江戸に導入され,サツマイモ(薩摩芋)として全国へ普及しました。
現在日本で栽培されている品種は,皮が赤い紅赤,あんの材料にされる金時や紅小町,味のよい高系14号,黄金せんがん,紅あずま等で,用途によって使い分けられます。
サツマイモは菓子代わりに愛好されたことから,江戸時代の半ばには焼き芋屋が現れ,江戸や上方では,どの街にも2〜3件の焼き芋屋があったといいます。最初の記録は1719年の京都の露店で,上方では天保(1830〜44)時代まで蒸芋が売られていました。
葉が美しいサツマイモは観賞用にも適しているため,最近では学名“イポメア”の名で観葉植物としても売られています。同じヒルガオ科のアサガオによく似たラッパ型の花も楽しめますから,家で残ったサツマイモを種芋にして,育ててみてはいかがでしょうか。