© 2004 Mira House. All rights reserved. |
秋が深まってきました。暖かいシチューや煮物が恋しくなる季節です。店先には,お正月料理でお馴染みの野菜たちも並び始めます。
濃紅色の細長いニンジンの姿も見かけませんか? 関西のお正月に欠かせない,京にんじん(金時にんじん)です。よく見かける普通のニンジン(五寸にんじん)は西洋種で年中出回っていますが,京にんじんのような東洋種のニンジンは秋から冬にかけて収穫されます。
ニンジンはセリ科の1,2年草で,中央アジアから中国経由で江戸時代に日本へやってきました。
古くから知られていた薬用のオタネニンジン(朝鮮人参:ウコギ科,根が人の形に似たものを最上品とした)と形が似ていたことから,“菜にんじん”“はたにんじん”“芹にんじん”などと呼ばれ,そのうち単に“にんじん”と呼ばれるようになったということです。
ニンジンといえばビタミンAやカロチンを多く含む緑黄色野菜として有名ですが,ニンジンの英語名 carrot(キャロット)が,その含有量は carotene(カロチン)の語源になっているほど。京にんじんのような紅色種にはリコピンも含まれています。
関西には,お浸し用のにんじん葉(葉にんじん:葉が20cmほどに伸びたニンジン)が売られていますが,ニンジンの葉はビタミンC,ビタミンB2,カルシウムを含む,大変栄養価の高い野菜です。もし葉っぱ付きで手に入ったら,是非とも捨てずに食したいものですね。