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お雑煮,鍋物,すき焼きと,冬の食卓に欠かせないネギ。
原産地と考えられている中国では最も古い野菜の一つで,日本でも,奈良時代から栽培されてきました。『日本書紀』や『延喜式』(えんぎしき)にも名が残されています。
ユリ科の多年草で,古くは中国名の葱(ツォン)を取り入れ葱(き)の名で親しまれていましたが,やがてネギ(葱)と呼ばれるようになりました。理由は,茎下部の白いところを根に見立てて根岐(ねぎ),根が発達した葱という意味,などの諸説があります。
“葱(き)”という一文字の名前は,ネギの別名ヒトモジ(一文字)の由来になっており,この他,ネギにはネブカ(根深)という異名もあります。
根深は,千住ネギに代表される長ネギ(主に白い部分を食べる)のことで,長ネギは,根が伸びるにつれて土寄せし,葉ざやを軟白にして栽培します。
これに対し,土寄せしないで育てる葉ネギは,薄くて柔らかい葉の部分を食べます。葉ネギは青ネギとも呼び,暑さに強いため主に西日本で栽培され,京都の九条が代表的な品種です。
万能ネギなどの小ネギは葉ネギの細いもので,薬味用として重宝されます。
ネギはビタミンA(カロチン)・B・Cやカルシウム,リンを含み,中国では薬用としても利用されてきました。例えば,高熱や疼痛には葉を煎じて内服し,足の浮腫には葉と茎を煮て擦りつぶしたものを塗布するなど,様々な処方が文献の中に見られます。
緑色の部分はビタミンA,白い部分はビタミンCを多く含み,独特の香りを放つ硫化アリルは体内でビタミンB1の吸収を助けます。ビタミンB1を多く含む豚肉・たらこ・ブリ・サバなどの食材と共にどうぞ。