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雪菜,冬菜,鶯菜。
寒さが底をつく厳寒期,そして次第に春の気配が漂い始める雰囲気が伝わってきませんか? これらは全て,小松菜の古い呼び名です。
促成栽培など無かった昔,小松菜は寒さに耐えて冬中収穫できる貴重な野菜でありました。江戸時代,東京の南葛飾小松川村の特産でしたが,将軍の好物だったことから幕府より小松菜という名を賜り,以降,小松菜と呼ばれるようになったということです。
なお,この将軍には,五代綱吉,八代吉宗の説があるようです。
小松菜はアブラナ科の一,二年生草本で,アブラナ(菜種)の変種。小松菜を育てて花を咲かせると,菜の花そっくりの黄色い花が開花します。原産地は日本で,在来カブのククタチから出たものと言われます。
小松菜はあくが少なく,和え物,味噌汁の実,漬け物に用いられる他,東京では正月の雑煮の具としても使われます。ビタミンA,B2,C,カルシウム,鉄を多く含む栄養価の高い食材ですから,様々なレシピで年中食卓に取り入れたいものです。
プランタ栽培も比較的簡単ですから,家庭菜園にもお勧め。双葉になった頃に間引いた若菜は,“つまみ菜”“貝割れ菜”といって味噌汁などに入れて食べられます。