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彼らが王の言葉を聞いて出かけると,東方で見た星が先立って進み,
ついに幼子のいる場所の上に止まった。
学者たちはその星を見て喜びにあふれた。
家に入ってみると,幼子は母マリアと共におられた。
彼らはひれ伏して幼子を拝み,宝の箱を開けて,黄金,乳香,没薬を贈り物として献げた。
(マタイによる福音書2:9-11『聖書』新共同訳/日本聖書協会)
1月6日は,公顕祭(こうげんさい, 公現祭, 公現節, 顕現日, Epiphany)。
公顕祭とは,東方の三人の博士たちが,星に導かれてベツレヘムの馬小屋にいる幼子イエスを見つけ,黄金・乳香・没薬を献げて拝したことを記念する祝日です。
日本では11月に入ると早々と飾られ,クリスマスを過ぎるとあっという間に片付けられるクリスマス・ツリーですが,本来はクリスマスの日※から1月5日まで飾り,1月6日の公顕祭になって初めて菓子や飾りを木からはずすものでした。このため,クリスマス・ツリーはもともと新年を祝うための飾りだったと考えられています。
クリスマス・ツリーのおこりはドイツ文化圏だと言われ,最初は生命の象徴である常緑樹を,冬至や新年の頃に窓や天井に飾るシンプルなものでした。中でもモミの木は,寒さと闇が支配する冬のドイツにあって,古くからゲルマン民族に崇拝された常緑樹でした。やがて,豊穣を願うリンゴや魔除けのロウソクがこれに加わり,木を飾る習慣はヨーロッパの各地へと伝わっていきます。
今日のように世界中で飾られるようになったのは19世紀以降のことで,とある新聞に大英帝国のビクトリア女王一家がツリーを囲む姿が掲載され,それがきっかけになったのだということです。
ヨーロッパでは,今もクリスマス・ツリーは新年を祝う木として1月5日まで飾られ,1月6日に片付ける風習が残っています。
※クリスマスの日とは,12月24日の日没から12月25日の日没前まで。今日のクリスマス・イブは,クリスマスの日の始まりでした。