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アテネ(Athene)ともいい,ギリシア神話に登場するオリュンポス12神の一人で,知恵,学芸,工芸,戦争を司る女神。
ローマ神話ではミネルウァ(Minerva)に相当する。
ゼウスと最初の妻である思慮の女神メティス(Metis)の娘であるが,メティスから生まれる男の子は父の王座を奪うとの予言に怯えたゼウスが妊娠中の妻を飲み込んだ為,アテナはゼウスの額から,すでに成人し武装した姿で飛び出した。
ギリシア先住民族の女神で,ミュケナイ時代には王侯の宮殿が立つアクロポリスの守護神であった。その後ポリスそのものの守護神に変化し,更にポリスの存続・発展に必要な技術や学芸の女神となっていった。
アテナの崇拝の中心地はアテナイであるが,この地の領有権を巡ってアテナとポセイドンが争ったという神話がある。ポセイドンが馬を贈ったのに対しアテナはオリーブの木を贈り,それを見た神々が,オリーブの方が住民に有益な贈り物であると判定しアテナがこの町の守護神と決まった。
ローマ神話では,ミネルウァがアテナに相当し,技術・工芸・戦争の女神として崇拝された。ミネルウァは,最高神ユピテル最高の女神ユノと共に,3柱の国家神としてローマ市のカピトリヌス丘上のユピテル神殿にまつられていた。
また,アウェンティヌスの丘にあったミネルウァの神殿は,各種の職人組合の本部の役を果たしていたと考えられている。