ヒアデス星団の和名

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釣鐘星(つりがねぼし)
千葉・長野・静岡・広島など,各地に伝わる名前で,Vの字型の星の並びを,寺の釣り鐘に見立てたもの。
派生が同じ名前として,鐘星(かねぼし)・鐘撞き星(かねつきぼし)・撞き鐘星(つきがねぼし)などがある。
苞星(つとぼし)
納豆や卵を包む藁の苞のこと。プレアデス星団の和名として有名だが,和歌山県でヒアデス星団を呼ぶ名として見つかっている。
モッコ星(もっこぼし)
“モッコ”は,薪などを背負う際に用いる道具。
稲叢星(いなむらぼし)
小屋星(こやぼし)
Vの字を伏せた形を,三角屋根の小屋に見立てた名前。
箕星(みぼし・みのほし)
モミを篩い分ける時に使う農具。静岡県で呼ばれた名前。
扇子星(せんすぼし)
V字型を,扇が半分開いた形に見立てた名前。
“半分開いた扇”から来た名前として,他に半開星(はんかいぼし)・扇星(おうぎぼし)がある。
馬の面星(うまのつらぼし・ウマノチラー)
うまのつらぼしは山形,ウマノチラーは沖縄。
おうし座の牛の顔が,日本でも同じに見られていたことは興味深い。
雁股(かりまた)
岩手県に伝わる名前。V字型を,矢尻のカリマタに見立てたものという。
雨降り星(あめふりぼし)
中国で,この星団に月が懸かるのを雨の知らせとしていた伝説が伝わり,日本でも雨降り星と呼ぶようになった。

【参考】
 ●『星の方言集 日本の星』 野尻抱影著 中央公論社 (1973)
 ●『日本星名辞典』 野尻抱影著 株式会社東京堂出版 (1973)
 ●『星座ガイドブック 秋冬編』 藤井旭著 誠文堂新光社 (1975)




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