作成:2000-07-23
更新:2001-10-17
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和名手元の資料では,りゅう座にまつわる和名は見つかりませんでした。 |
星名 | 一般名 | 意味 | 派生 | 和名 | 光度 | スペクトル | 距離 | 絶対等級 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
α | トゥバン アディブ アル・ディー | Thuban Adib Al Dhih. | 竜 ハイエナ又は狼 雄ハイエナ | アラビア語 アラビア語 アラビア語 | 3.65 | A0* | 220 | -0.5 | |
β | ラスタバン アルワイド | Rastaban Alwaid | 竜の頭 母親のラクダ | アラビア語 アラビア語 | 2.79 | G2* | 300 | -2.1 | |
γ | エルタニン | Eltanin | 竜の頭 | アラビア語 | 2.23 | K5* | 110 | -0.5 | |
δ | ノドゥス・セクンドゥス アルタイス | Nodus Secundus Al Tais | 第二の結び目 牡の山羊 | ラテン語 アラビア語 | 3.07 | G9* | 120 | +0.2 | |
ε | ティル | 3.83 | G8* | 250 | |||||
ζ | ノドゥス・プリムス アル・ディーバ アル・ディーバイン デュオ・ルピ | Nodus Primus Al Dhi'bah Al Dhi'bain Duo Lupi | 第一の結び目 ハイエナ 2匹の狼 2匹の狼 | ラテン語 アラビア語 アラビア語 ラテン語 | 3.18 | B6* | 140 | -3.2 | |
η | アル・ディーバイン デュオ・ルピ | Al Dhi'bain Duo Lupi | 2匹の狼 2匹の狼 | アラビア語 ラテン語 | 2.73 | G8* | 80 | +0.9 | |
ι | エダシク アル・ディバ | Edasich al Dhiba | 雄のハイエナ ハイエナ | アラビア語 アラビア語 | 3.3 | K2* | 100 | +0.8 | |
λ | ギアンサル | Giansar | 竜の頭と尾 | ペルシア語 | 3.83 | M0* | |||
μ | アルラキス | Alrakis | 飛んだり跳ねたりするもの | アラビア語 | 5.83 | F6* | |||
ν1 ν2 | クマ | Kuma | (不明) | 4.88 4.88 | A* A* | ||||
ξ | グルミウム | Grumium | 下あご | ギリシア語 | 3.74 | K2* | |||
ψ | ヅィバン | Dsiban | 2匹のハイエナ | アラビア語 | 4.59 | F5* | |||
光度: Yale Catalogue of Bright Stars, (3nd edition) |
【コメント】
α星 トゥバン(Thuban)は,“竜”または“蛇”を意味するアラビア語,アル・トゥバン(Al Thu'ba_n)が語源でAl Tinninとも言う。ペルシア語では,Azhdeha。
アディブ(Adib)は,Addib,Eddib,Adid,Adive,El Dsib とも言い,ハイエナという意味のアラビア語,Al Dhi'bah または狼という意味のアラビア語 Al Dhiba_‘ が語源。ζ星・η星・ι星の名としても知られる。
この星は,エジプト古代王国時代の4750万年ほど昔,歳差運動により北極星であった。
β星 ラスタバン(Rastaban)は,“竜の頭”または“蛇の頭”を意味するアラビア語,アル・ラス・アル・トゥバン(Al Ra_s al Thu'ba_n)が語源。ラスタベン(Rastaben)と呼ぶこともある。
別名 アルワイド(Alwaid)は,“年取ったラクダ(複数形)”または“母親のラクダ”という意味のアラビア語,アル・アワイド(Al 'Awa_id)が語源で,もともとβ・γ・ν・ξの4星に与えられたアラビア古来の星座名が,β星の固有名となった。Al 'Awa_id は,後には“5匹のヒトコブラクダ”という意味の クインクエ・ドロメダリー(Quinque Dromedarii)として知られている。
アラビアの星座 : 母親ラクダと子供ラクダ,子供を狙う狼 りゅう座の頭に当たる4つの星 β星・γ星・ν星・ξ星 ( アル・アワーッイズ = Al ‘Awa_'idh =母親のラクダ)は,ζ星・η星 ( アッ・ズィーバイン =Al Dhi'bain,初期のラテン語ではドゥオー・ルーピー=Duo Lupi=2頭の狼又はハイエナ)から,真ん中にいる小さな星( アッ・ルバッ =Al Ruba')を守っている。 4頭の母ラクダを表すアッ・ラーキス= Al ‘Awa_'idh の‘awa_'idh は‘audh “守護者” の複数形で,この語そのものには“母親”や“ラクダ”という意味はない。また,早足で行くラクダ=アッ・ラーキスは,μ星の固有名 アルラキス (飛んだり跳ねたりするもの)の語源になっている。 4匹の母ラクダに守られているアッ・ルバッ(Al Ruba')は目に見えない暗い星で,『キリスト教星図』(1627年,ユリウス・シラー)に“聖なる御子たち座”(原恵氏の訳では“聖幼子殉教者座”)37番星として,アル・アワーッイズに囲まれた中央に記されている。この星は,現在の HR6618 = HD161693 (実視等級5.75等,赤経17時43分59.3秒,赤緯+53度48分6秒)に相当する。 アラビアの星座 : リュート弾きと踊り子 母親ラクダに相当するβ星・γ星・ν星・ξ星,アル・アワーッイズ( Al ‘Awa_'idh )を Al‘Awa_'id としている写本があり,これを Al‘Awwa_d (リュート奏者たち)とする解釈もある。 |
γ星 エルタニン(Eltanin)は,“竜の頭”を意味するアラビア語,アル・ラス・アル・ティニン(Al Ras al Tinnin)が語源。エタミン(Etamin)またはエタニン(Etanin)と呼ぶこともある。
δ星 ノドゥス・セクンヅゥス(Nodus Secundus)は,“第二の結び目”を意味するラテン語。この星の部分でりゅう座の竜がとぐろを巻いている。
別名 アルタイス(Al Tais)は,“牡の山羊”を意味するアラビア語,アル・タイス(Al Tais)が語源。もともとδ・π・ρ・εの4星に与えられたアラビア古来の星座名がδ星の固有名になったもの。
ζ星 ノドゥス・プリムス(Nodus Primus)は,“第一の結び目”を意味するラテン語。この星のあたりで,りゅう座の竜がとぐろを巻いている。
ι星 エダシク(Edasich, Ed Asich)は,“雄のハイエナ”を意味するアラビア語,アル・ディハ(Al Dhi_h.)が語源。ζの名前として知られる Al Dhiba' (アラビア語:狼)で呼ばれることもある。
λ星 ギアンサル(Giansar)は,“竜の頭と尾”を意味するペルシア語,ギャウザルが語源。“ふたご”を意味するアラビア語,アル・ジャウザ(Al Jauza)が語源であるという説もあり,この星が肉眼二重星であるためではないかとも言われる。アル・ユザ(Al Juza)と呼ぶこともある。
μ星アルラキス(Alrakis)は,“飛んだり跳ねたりするもの”を意味するアラビア語,アル・ラキス(Al Rakis)が語源。もともと“放れているラクダ”という意味の,アル・ラファド(Al Rafad)が変化したものという。β・γ・ν・ξの4星を呼んだ“年取ったラクダ”と関連しているものと考えられている。
ξ星 グルミウム(Grumium)は,“下顎”を意味するギリシア語,ゲネイオンが語源で,これをラテン語風に読んだもの。星座中で竜の下顎に相当する。
ψ星 ヅィバン(Dsiban)は,“2匹のハイエナ”を意味するアラビア語,アル・ディバイン(Al Dhi_bain)が語源で,β・γ・ν・ξの4星が作る4頭のラクダを追いかけるハイエナとしてζ・ηの2星に与えられた名前が,この星の固有名となったもの。
変光星名 | 変光星型 | 光度範囲 | 周期 | スペクトル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
κ | GCAS | 3.82-4.01 | - | B6IIIE | |
R | M | 6.7-13.2 | 245.60 | M5E-M9EIII | |
Y | M | 6.24-15.0 | 325.79 | M5E | |
TX | SRB | 7.9-10.2 P | 78: | M4E-M5 |
【変光星型】 GCAS:カシオペア座γ型, M:ミラ型, SR:半規則型
【光度範囲】 P:写真光度
【周期】 ::不確か
【スペクトル型の前後の記号】 接尾記号 E :スペクトルに輝線あり
【コメント】
★ りゅう座の神話や探し方については,星座入門 の りゅう座 をご覧下さい。