初めての海外旅行だった,1988年6月のシンガポール。そこで,セランゴール・ピューターの店へ行って買ってきたフクロウ。
会社の慰安旅行でシンガポールへ行くことになったとき,父に,セランゴール・ピューターの一輪挿しを買ってきて欲しいと頼まれた。
確か,インドネシアにはスズが出る島があったっけ。貿易の国シンガポールには,そこの製品が色々置いてあるに違いない。
私はガイドブックで店を調べ,希望の一輪挿しを調達しに行った。そこで何気なく見つけたのがこのフクロウ。
こんなものを買ってどうするのだ?
飾りものなんて埃をかぶって邪魔なだけ,と思っていた私は自問自答をしたのだったが,どうしても,このフクロウたちを置いて帰るわけにはいかない気がした。
まだ自分のものは何も買っていない。一つくらいはいいだろう。2羽くっついているから,連れて帰ってもこの子達は寂しくないに違いない。そう思って買ってしまった。
これ以来,私はすっかりフクロウが好きになり,どこかへ行くとフクロウの置物に目がいってしまうようになった。
想い出深い私の最初のフクロウである。
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