ロンドン旅行記 ★ コッツウォルズ(4)

4. ブロードウェイ (Broadway, 2008-05-25)

　ブロードウェイは，チッピング・カムデンのすぐ近くにある小さな町で，コッツウォルズの主要な町の中では北の方に位置する。世界で最も高品質と誉れ高いコッツウォルズの羊毛を運搬するための拠点として栄えてきた町だ。
　その名が示す如く，町の真ん中を大きな通り（High Street）が走り，その周辺にB&Bや土産物店が建ち並ぶ。

　この町で最も有名な観光名所は，町外れの丘に建っているブロードウェイ・タワー。18世紀に建てられたコヴェントリー伯爵の城を守るための砦だ。コッツウォルズで最も高い海抜333.8mの丘の上に建っており，高さは20m。周囲12州に渡る絶景と呼ぶべき素晴らしい風景を見渡すことが出来るという。

　だが，私達に与えられた観光時間は30分。しかも，たった30分観光する気力も萎えるほど雨は激しく，とても寒い。
　何とか気分を奮い立たせ，バスを下ろされた大通りを歩き，蜂蜜色の家々にカメラを向ける。目抜き通りの一方の端でバスを下ろされ，もう一方の端にある "Horse & Hound" というホテルの前で待ち合わせてバスに乗るという形式の観光だった。

Broadway Panasonic LUMIX DMC-FX33 Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro

　ブロードウェイ到着は丁度午前11時。通りの店々は，まさに今シャッターを開けて営業開始というところが多かった。どの店も閉まっていたバーフォードより，マシな状況と言えるだろう。せっかくなので，雨宿りを兼ねて通りがかりの台所雑貨の店へ入ってみた。
　輸入雑貨の雑誌にでも載っていそうな色とりどりのキッチングッズが綺麗にディスプレイされており，中は大変可愛らしい。だが，やっぱりイギリス，しかも田舎，物価は高い。探せば日本にもありそうなものばかりで，残念ながら買って帰る気にはなれなかった。

　だが，日曜日。休みの店も多いようだった。
　観光時間の30分を潰すために，ただ雨と寒さに耐えながら写真を撮っているという感じで，美しい風景も思うように堪能できない。

　The Lygon Arms という High Street 沿いのホテルは，1530年築で，元は領主邸（manor house）。その昔，チャールズ1世（1600-1649, 在位1625-49）やクロムウェル（1599-1658）も宿泊したことがあるという由緒ある建物である。

　途中で見掛けた女の子の銅像は，Richard Hagen Gallery 。コッツウォルズの村々にはこうした小さなミュージアムやギャラリーが幾つも点在しているようだ。地図を見るとブロードウェイの High Street 沿いには Teddy Bear Museum もあったようだが，今はもう無くなってしまったのか見掛けなかった。

　集合場所に指定された "Horse & Hound" というホテルまでやってくると，ホテルの前は広い牧草地になっていて，雨の中，沢山の羊が草をはんでいた。
　もしかして，これぞ待ち望んでいたコッツウォルズ：羊のいる丘，の風景だろうか！？

　牧草地の横は The Millennium Garden になっていて，ベンチなどが並び奧へ入っていけるようになっている。これ幸いと私達は羊の近くまで歩いていって，コッツウォルズの丘の羊たちを写真に撮って，ブロードウェイでの最後の時間を過ごしたのだった。

　その間も横殴りの雨は激しく降り付け，足先はかじかんで感覚が無くなり，バスに乗った頃にはすっかり体力と気力を消耗しきっていた。せめて雨か風かどちらか一方なら助かったのだが…。

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外部リンク
　・コッツウォルズ - Wikipedia
　・みゅう（MIKI TRAVEL）
　・Broadway Cotswolds Tourist Information and Travel Guide England UK
　・Richard Hagen Gallery Broadway Cotswolds England UK
　・Horse and Hounds is in the heart of the village Broadway.

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