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 最初の海外旅行は,会社の慰安旅行で連れて行かれたシンガポール。その後,様々な事情によりハワイ,ペルー,インド,アルバ,中国,アメリカへ行ったが,ヨーロッパ・アフリカ方面へ出向く機会には恵まれなかった。やっぱり遠い!
 しかし,ヨーロッパの美しい街並みは是非とも見てみたい。
 熱帯魚を飼っているおかげで冬しか家を空けられない私たちは,オフシーズンで比較的安く行ける2月にヨーロッパ旅行を計画した。
しかし,ヨーロッパといっても広いぞ。どこへ行こう?
 最初に考えたのはイギリス。グリニッジ天文台とか大英博物館とかロンドンだけでも楽しそうだし,湖水地方などへ行ければさらに違った風情を味わえるだろう。
 しかし個人旅行は高くてお話にならず,ツアーも意外に少ない。どうやら欧州で人気なのはイタリアで,次がフランス。イタリアなら安いツアーが山ほどあるのに,イギリスだけのツアーなんて数えるほど。オフシーズンかつ予算もそう多くない上,熊本という地方都市からの参加とあって適切なツアーは皆無。フリーでロンドン6日間程度なら,行けそうだとわかる。
 他には?
 もともとオランダやベルギーも気になっていたが,安いツアーは木曜日出発とかで問題外。おそらく成田前泊となるであろうに,そりゃ無理でしょう。
 ドイツのビアホールつきツアーなどにも憧れたが,今ひとつ,値段と日程が合わない。値段を見ると圧倒的に格安のイタリアに気持ちがぐらつくが,旅行は値段じゃなくて興味で決めるものだろう。
なかなか決められずに迷っていたが,そろそろリミットという頃になって“珠玉の中世の街並みを巡る東欧4ヶ国周遊8日間”というツアーが添乗員付きで意外に安いことを発見!
 とりあえず,私の知り合いで東欧へ行った人など誰もいない。
 本当に古いヨーロッパが堪能できそうだし,添乗員つきなら英語しかできなくても安心だ。
『理科年表 2003』で調べてみると,下記のようなことがわかった。
| 都市名 | 緯度 | 2月の平均気温 | 
| ブダペスト | 北緯47度30分 | 1.5℃ | 
| ウィーン | 北緯48度12分 | 1.6℃ | 
| プラハ | 北緯50度6分 | -0.6℃ | 
| 仙台市 | 北緯38度16分 | 1.7℃ | 
| 東京23区 | 北緯35度41分 | 6.1℃ | 
| 京都市 | 北緯35度01分 | 4.8℃ | 
| 熊本市 | 北緯32度48分 | 6.5℃ | 
 緯度の割に暖かいと言えるが,中部以西にしか住んだことのない私にしてみれば,やっぱり絶対的に寒そう。
 おまけに日が短くて暗いので写真撮影にも不向きかも。でも,それもまた一興? たぶん冬のヨーロッパの暗さは,好むと好まざると,その文化形成に大きな影響を与えているはずだ。
かくて我々は,初のヨーロッパ旅行の destinationにブダペストを選び,東欧の旅を決意したのだった。
 ところで,ウェブや本で色々調べていると,ハンガリーやチェコは“東欧”と言われたり“中欧”と言われたりしている。
 『ヨーロッパ・カルチャーガイド 中欧』(トラベルジャーナルECG編集室)によると,
 ・ヨーロッパをイベリア半島〜ウラル山脈までと仮定した場合,中心はポーランドとなる
 ・東欧=共産圏というイメージは,1989年の東欧革命以降,これらの国々に相応しくない
 ・プラハはウイーンより西に位置しているなど,そもそも“東”ではない
等々を理由に,最近はハンガリー・ポーランド・チェコ・スロバキアの4ヶ国の呼び名として“東欧”に代わる“中欧”という言葉が台頭してきたものらしい。
 ただし『ドナウ・ヨーロッパ史』(南塚信吾編/山川出版社)によると,“中欧”という言葉には,“ドイツとその影響下にあるヨーロッパ全体”“1989年にくずれた社会主義ヨーロッパ”“かつてのハプスブルク帝国領”など様々な概念が当てはめられ,場合によって含まれる地域に多少のずれがあるようだ。
 いずれにしても,今回訪れる国々は全てこの“中欧”の概念で括られるカテゴリーに属しているため,私はこの旅行に“中欧”という言葉を使うこととした。
 ヨーロッパの心臓部に位置する中欧の国々。
 そこへは人・物・宗教などが,西から東から雑多に流れ込む。
 この異文化の融合が醸し出す独特の文化こそ,中欧の魅力なのだという。
旅行及び旅行記執筆にあたり,下記の本を参考にしました。