vsolj-news 105: SN II 2003gd in M 74 VSOLJ ニュース (105) M 74に明るい超新星が出現 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 昨年「極超新星(きょくちょうしんせい)」2002ap(vsolj-news 083)が発見さ れたうお座の渦巻銀河M74に、またもや超新星が出現しました。 今回の超新星2003gdを発見されたのは、オーストラリアのベテラン超新星捜 索者のエバンス(R. Evans)さんで、6月12.82日(世界時、以下同様)に眼視で 13.2等の新天体に気付きました。明け方の東の低空で、現在冬が近くて夜明け の遅い南半球ならではの発見と言えるでしょう。オーストラリアのサイディン グスプリング天文台で翌日撮影した画像から測定された位置は、 赤経 1時36分42.65秒 赤緯 +15度44分20.9秒 (J2000.0分点) で、M74の中心から東に13秒角、南に161秒角にあたります。南の腕の先端近く です。12.4等の明るい手前の星が、赤経1時36分32.00秒 赤緯+15度45分08.7 秒(J2000.0分点)にありますので、間違えないよう気をつけましょう。 赤外線スペクトルが、発見と同じ夜にアメリカで撮影されました(13.46日)。 そのスペクトルから、この天体はII型の超新星であることが判明しています。 爆発後ごく初期というわけではないようですので、天体が太陽の背後にあった 頃に爆発したものと思われます。しかし、ここしばらくは明け方の空で、14等 級台の超新星が楽しめるものと思われます。 参考文献:IAUC 8150 (2003 June 13) 2003年 6月 14日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJの速報メーリングリスト vsolj-alert にご加入いただくと便利で す。また、これらの天体についての科学的議論のためのメーリングリスト vsolj-sci もご利用いただけます。購読・参加お申し込みは vsolj-adm@ooruri.kusastro.kyoto-u.ac.jp まで。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。