vsolj-news 118: SN 2004A in NGC 6207 VSOLJ ニュース (118) 板垣さん、近傍の銀河NGC 6207に超新星2004Aを発見 著者 :山岡 均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、これまで数々の超新 星を発見するなど、たいへん活躍中の新天体ハンターです(vsolj-news 100, 104, 115など)。板垣さんはこのほど、ヘルクレス座の有名な球状星団M 13の すぐ近くにある渦巻銀河NGC 6027に超新星を発見されました。世界を通じて今 年初めての超新星発見で、超新星2004Aと呼ばれます。 超新星が発見されたのは1月9.84日(世界時、以下同様)で、そのときの明る さは15.7等(フィルターなしCCD)、翌10.75日にも同じ明るさで観測されていま す。また、山梨県の串田麗樹(くしだれいき)さんによって、9.877日に15.7等 で確認されています。超新星の位置は、 赤経 16時43分10.90秒 赤緯 +36度50分12.5秒 (2000年分点、板垣さんの測定) で、母銀河の中心から西に22秒角、北に17秒角にあたります。銀河の中心に重 なって明るい星がありますので、同定には注意が必要です。板垣さんが2003年 12月27日に撮影された画像では、18等より明るい天体はこの位置になく、この 超新星は爆発から2週間以内であろうと考えられます。 この銀河はかなり近い部類に属します。典型的なIa型超新星がこの銀河に出 現すると、極大で12等台が期待されます。ただし、今回の超新星2004Aは、発 見後1日経っても明るさがほとんど変化しなかったことから、より暗い重力崩 壊型の超新星である、もしくは母銀河内の星間物質によって吸収を受けている ことが考えられます。今後、分光タイプの決定や光度変化の追跡が待たれます。 超新星の画像などは、D. Bishopさんの超新星page、 http://www.rochesterastronomy.org/snimages/ で近々公開されていきます。 参照:IAUC 8265 (Jan. 10) 2004年1月11日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。