vsolj-news 123: Nova Sgr 2004 VSOLJ ニュース (123) 西村さん、いて座に新星を発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 静岡県掛川市の西村栄男さんは、昨年もたて座に新星を発見されるなど、活 躍されている天体捜索家のひとりです。今回、西村さんは、いて座に新星を発 見されました。 西村さんは、3月15.82日(世界時、以下同様)に撮影した写真上で、9.4等の 新しい天体に気付きました。12.82日に撮影した写真では写っていなかったの で、たいへん急速に明るくなったものと推察されます。チリのW. Lillerさん も独立にこの天体を発見しています(17.342日)。米カンザス州のD. Westさん による精測位置は、 赤経:18時19分32.29秒 赤緯:-28度36分35.7秒 (2000年分点) です。いて座の弓の中ほどにあたります。過去の画像では、この位置から2"以 内に18等より明るい天体(赤画像)はありません。赤外線やX線で明るい天体も なく、おそらく典型的な新星であろうと考えられ、IAU circularではNova Sagittarii 2004(2004年いて座新星)と呼ばれています。 ASAS-3自動撮影システムでは、この領域を3月12.38日に撮影していましたが、 やはり天体は写っていませんでした。17.36日撮影の画像では、8.1等ほどの明 るさで捉えられています。 これまで報告されている明るさは、 Feb. 26.38 >11.0r Liller Mar. 12.38 >14.0V ASAS-3 12.82 >10.5p 西村 15.82 9.4p 西村 17.342 8.2:r Liller 17.346 8.2:r Liller 17.36 8.10V ASAS-3 17.489 8.38V West 17.556 8.1 Royer(米カリフォルニア) 17.631 8.5 Bedient(米ハワイ) 17.821 8.7 Pearce(オーストラリア) *rは赤フィルター写真、pは写真、VはV等級、記号がないのは眼視。 です。現在、急速に減光している可能性があり、早期のスペクトル撮影が望ま れます。 参考文献:IAUC 8306 (2004 March 17) 2004年 3月18日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。