vsolj-news 135: SN 2005ab in NGC 4617 VSOLJ ニュース (135) 板垣公一さん、NGC 4617に超新星2005abを発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 山形県にお住いの板垣公一さんは、昨年6個の超新星を発見(独立発見を含む) するなど、たいへん活躍されている天体捜索者です。その板垣さんにとって今 年初めての超新星発見が公表されました。 超新星が出現したのは、りょうけん座の銀河NGC 4617で、渦巻銀河を横から 見た形をしています。板垣さんは、2月5.638日(世界時、以下同様)に撮影した 画像から、16.7等級の新しい光点を見いだしました。超新星の位置は、 赤経: 12時41分05.18秒 赤緯:+50度22分56.2秒(2000年分点) で、銀河の中心から西に7秒角、南に40秒角のところになります。天体の存在 は、埼玉県の門田健一さんによって同夜に確かめられ、また翌夜には板垣さん 自身が確認しています。この間、超新星の明るさは特に変わっていません。発 見前の観測から、少なくとも爆発1か月以内と考えられますが、くわしいこと は今後の分光観測を待ちます。 板垣さんは、冬の良い空を求めて、今シーズンから栃木県に新しい観測所を開 設しました。今回の超新星は、新しい観測所での最初の発見となります。今後 の活躍が期待されます。 参考文献: IAUC 8478 (2005 Feb. 6) 2005年2月7日 なお、vsolj-news 134で紹介したSN 2005Wは、海外の観測で、極大前のIa型超 新星であるとわかりました。今後しばらく、太陽に近くなるまで、14等級台で 見えるものと思われます。 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。