vsolj-news 140: SN 2005cs in M 51

                        VSOLJ ニュース (140)

        子持ち銀河M51に超新星2005csが出現

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  子持ち銀河として有名なりょうけん座の銀河M51は、11年前に典型的なIc型
の超新星1994Iが出現したことでも記憶に新しいところです。このM51に、ふた
たび超新星が発見されました。現在の明るさは14等前後で、爆発後それほど時
間が経っていないもようです。

  超新星を発見したのは、ドイツのアマチュア天文家W. Kloehrさんです。
20cm反射望遠鏡で6月28.907日(世界時、以下同様)に撮影したCCD画像で、14等
ほどの新天体を見いだしました。そこで前日に撮影した画像を調べてみると、
実は16等ほどで写っていたことに気づかれました。この天体は、30日にアメリ
カのLick天文台のKatzman自動撮像望遠鏡(KAIT)や、山形県の板垣公一さんに
よって確認されました。明るさは依然14等前後のようです。

  KAITチームが測定した超新星の位置は、

赤経: 13時29分52.85秒
赤緯:+47度10分36.3秒(2000年分点)

で、M 51の中心核から南に67秒ほどのところにあたります。南側の腕の中で、
過去の画像を見ると超新星の位置の近くには明るい星団やH II領域があります。
このことから、今回の超新星は、超新星1994Iと同様、大質量星が重力崩壊を
起こして爆発したものと考えられますが、なるべく早期の分光タイプの確認が
待たれます。明るい超新星ですので、光度変化の追跡もおもしろいでしょう。

参考文献: IAUC 8553 (2005 June 30)

                                                        2005年6月30日

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