vsolj-news 154: SN 2006ch in NGC 7753 VSOLJ ニュース (154) 超新星2006chを山形の板垣さんが発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 超新星はひとつの銀河あたり、数十年に1個の割合で出現すると考えられて います。ただし、その割合は銀河の種類、特に星が多くできているかどうかに よって大きく変わります。腕の開いた渦巻銀河のように、星を活発に形成して いるような銀河では、短寿命の重い星が爆発する超新星の数が多くなります。 ペガスス座の銀河NGC 7753は、腕が開きぎみの渦巻銀河のひとつです。 今年の1月に超新星2006Aが出現したこの銀河で、今年2個目の超新星が発見 されました。発見者は山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さ んで、これが板垣さん自身今年2個目の超新星発見になります。 超新星は、5月9.765日(世界時、以下同様)撮影の画像で、16.5等の明るさで 発見されました。板垣さんの観測では、11.764日に16.6等、14.752日に16.8等 と、次第に暗くなっているもようです。超新星の位置は、 赤経: 23時47分06.12秒 赤緯: +29度28分50.6秒 (2000年分点) で、母銀河であるNGC 7753渦巻銀河の中心から東に17秒角、南に10秒角にあた ります。http://www.rochesterastronomy.org/sn2006/n7753s5.jpg に発見画 像が置かれています。 1月にはこの銀河は夕空低く、超新星2006Aは発見後に分光観測されることな く暗くなってしまいました。今回も、まだ明け方の空低く、分光観測は難しい ところですが、今後の追跡観測が望まれます。 参考文献: CBET 510 (2006 May 15) 2006年5月15日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。