vsolj-news 155: SN 2006dy in NGC 5587 VSOLJ ニュース (155) 超新星2006dyを山形の板垣さんが発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんが、うしかい座の銀河NGC 5587に 超新星を発見されました。彼自身、今年3個目の発見です。爆発後それほど間 がないものと思われ、今後の観測が期待されます。 板垣さんが超新星を発見したのは、7月25日の夜(日本時間)のことです。世 界時25.54日に撮影した画像で、16.6等級の新天体を見いだしたのです。その 位置は、 赤経 14時22分11.45秒 赤緯 +13度55分14.2秒 (2000年分点) で、母銀河であるNGC 5587の中心から東に10秒角、北に9秒角にあたります。 この知らせをうけて、Lick天文台のKatzman自動撮像望遠鏡の画像を調べたと ころ、3日前の22.22日(世界時、以下同様)には18.5等級で写っていることがわ かりました。さらに26.20日に同望遠鏡で撮影した画像では16.5等級になって おり、爆発直後の急増光中であると期待されます。 NGC 5587は、S0/a型に分類される、腕があまり発達していない渦巻銀河です。 まずまず距離が近いため、母銀河内の星間吸収に邪魔されなければ、核爆発型 超新星ならば14等級ほどの極大が期待されます。重力崩壊型であっても16等ほ どとなるでしょう。今後、光度変化や分光観測が期待されます。 参考文献: CBET 586 (2006 Jul 26) 2006年7月26日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。