vsolj-news 163: SN 2006ov in M 61 VSOLJ ニュース (163) 板垣さん、M 61に超新星2006ovを発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 18世紀のフランスの彗星捜索者シャルル・メシエは、彗星とまぎらわしい、 ぼうっとした天体を表にしました。これがメシエ天体で、星雲や星団、銀河な ど、108個ほどが並べられています。この中に含まれている銀河は38個ですが、 私たちから近くにあって明るい銀河が多く、メシエ天体に超新星が出現すると 明るく観測されます。 山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、11月8日の超 新星2006my(VSOLJニュース161)に引き続いて、明け方の空に現われたM 61渦巻 銀河の中に超新星2006ovを発見しました。彼自身、今年10個目の超新星発見 (独立発見を含む)です。自身が持つ、個人天体発見数(通算/年間)の日本記録 を、またもや更新されました。 超新星は、11月24.86日(世界時、以下同様)撮影の画像で、14.9等の明るさ で発見され、翌25.764日に確認されました。超新星の位置は、 赤経 12時21分55.30秒 赤緯 +4度29分16.7秒 (2000年分点) で、おとめ座の渦巻銀河M 61の中心から東に6秒角、北に51秒角の位置にあた ります。渦巻の腕の中です。発見画像は、 http://www.rochesterastronomy.org/sn2006/n4303s1.jpg で見られます。 超新星2006myと同様、これまで何か月かは太陽の背後で観測できなかった方 向なので、爆発間もない超新星かどうか関心が集まりましたが、ホイップル天 文台での分光観測で、爆発から1か月ほどが経過したII型超新星(水素の線が顕 著なもの)であることが判明しています。このスペクトルは、 http://cfa-www.harvard.edu/oir/Research/supernova/spectra/sn2006ov_comp.gif で見ることができます。 参考文献: CBET 756 (2006 Nov 25) 2006年11月26日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。