vsolj-news 166: SN 2007C in NGC 4981 VSOLJ ニュース (166) 板垣さん、引き続いて超新星2007Cを発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 昨日のVSOLJニュース(165)で超新星2007Bの発見をお伝えしたばかりですが、 山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、またしても別の超新星を 発見されました。続き順で符号が2007Cと付けられましたが、このような続き 順の超新星をひとりの日本人が発見するのは、板垣さん御本人が超新星2004A と2004Bを発見して以来のことです。 板垣さんは、1月7.86日(世界時、以下同様)に撮影した画像上に、16等級ほ どの新しい天体を発見しました。天体の位置は、 赤緯: 13時08分49.30秒 赤緯: -6度47分01.0秒 (2000年分点) で、おとめ座の渦巻銀河NGC 4981の中心から東に9秒、南に22秒ほどの位置に あたります。翌日、板垣さん本人と、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんい ち)さんによって、ほぼ同じ明るさで確認されています。昨年12月23日に撮影 された画像には写っておらず、爆発から2週間以内のものと思われます。 NGC 4981は私たちから1億光年弱の距離にある、割合に近い銀河です。最大 13.5等級で観測されたI型超新星1968Iの母銀河でもあります。発見等級などか ら考えて、今回の超新星は、やや暗い重力崩壊型のものか、強い星間吸収を受 けていることが考えられますが、今後の分光タイプの確認や、光度変化のモニ ターが期待されます。 参考文献: CBET 798 (2007 Jan 9) 2007年1月9日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。