vsolj-news 169: SN 2007aa in NGC 4030

                        VSOLJ ニュース (169)

              土井隆雄さん、明るい超新星2007aaを発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士である土井隆雄(どいたかお)さん
は、1997年にスペースシャトル・コロンビアに搭乗し、日本人初の宇宙遊泳を
行なった方です。今年末には、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」
の打ち上げ第1便となるスペースシャトルに搭乗することが決まっており、大
活躍中の毎日です。

  土井さんは、天体観測が趣味のひとつです。2002年には、超新星2002gwを発
見され、話題になりました。その土井さんが再び、超新星を発見されました。
今回の超新星は、超新星2007aaと命名されました。

  超新星は、40cm望遠鏡に冷却CCDカメラという機材で、2月18.308日(世界時、
以下同様)に撮影した画像上で、15.7等の明るさで見つかりました。位置は、

    赤経  12時00分27.69秒
    赤緯 - 1度04分51.6秒  (2000年分点)

で、渦巻を私たちに向けた銀河NGC 4030の中心から東に60秒角、北に68秒角に
あたります。明るい腕のやや外側にあたります。

  この超新星は、19.509日に山形県の板垣公一(いたがきこういち)さん、また
19.643日に兵庫県の西はりま天文台の内藤博之(ないとうひろゆき)さん、飯塚
亮(いいづかりょう)さんによって存在が確認されました。また、南米チリにあ
るラス・カンパナス天文台でのスペクトル観測(19.24日)により、超新星は水
素の多いII型であり、爆発後20日ほどと推測されています。今後、しばらくは
発見時の明るさを保つことと思われますので、小中口径の望遠鏡による撮影の
好対象となるでしょう。

参考文献: CBET 848 (2007 Feb. 19)
       CBET 850 (2007 Feb. 19)
                                                        2007年2月20日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開
  等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典
  を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、
  VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で
  す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が
  subscribe vsolj-news
  と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。
  なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。