vsolj-news 173: Apparent Nova in Ophiuchus VSOLJ ニュース (173) 西村さん、中村さん、へびつかい座に新星を発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 今年に入ってから、銀河系内の新星が続々と発見されています。昨日までに、 ケンタウルス座に1つ、さそり座に2つ、はくちょう座に1つの合計4つですが、 日本からは観測しにくいケンタウルス座のものを除いて、すべて日本のアマチュ ア天文家が発見したものです。そして今日、へびつかい座に発見された新星ら しい天体も、静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんと、三重県亀山市 の中村祐二(なかむらゆうじ)さんのお2人の発見です。日本のアマチュア天文 家の活躍は特筆に値するものです。 西村さんは、3月19.812日(世界時、以下同様)に撮影した写真で、10.2等の 明るさの新星に気付きました。また、中村さんは、20.812日に撮影したCCD画 像で、10.0等の明るさの天体を見つけました。埼玉県上尾市の門田健一(かど たけんいち)さん、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、20.8 日前後に天体を確認し、正確な位置を測定しました。門田さんによる位置は、 赤経 17時42分44.00秒 赤緯 -23度40分35.1秒 (2000年分点) です。昔の画像では、この位置の数秒角以内には、20等より明るい天体はあり ません。西村さん、中村さんともに、17日に観測されたときには12等もしくは 13等より明るい天体はありませんでした。10等級(1万倍)以上明るくなったも ののようで、この2日間でかなりの増光があったことが伺われます。 西はりま天文台において分光観測が行なわれ、この天体は実際に新星である ことが明らかになっています。今後の追跡観測が期待されます。 参考文献: CBET 900 (2007 Mar. 21) 2007年3月21日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。