vsolj-news 177: SN 2007gi in NGC 4036 VSOLJ ニュース (177) 山形市の板垣さん、増光中の超新星を発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp ようやく全国的に梅雨が明け、夏空がまぶしい日々となりました。天体観測 もこれから夏本番といったところでしょうか。そんな折、山形市の板垣公一 (いたがきこういち)さんが、自身ことし5個目の超新星を発見されました。明 るくなりつつある、爆発から間もない天体で、今後の動向が注目されます。 板垣さんは、60cm望遠鏡で7月31.49日(世界時、以下同様)に撮影した画像か ら、16.3等(CCD, フィルターなし)の新しい光点を発見しました。この天体は、 ベラルーシのネフスキー(V. Nevski)さんによって31.923日に確認され、また 板垣さんの観測では、翌8月1.468日には15.9等、さらに2.471日には15.5等と、 着実に明るくなっています。天体の位置は、 赤経: 12時01分23.42秒 赤緯:+61度53分33.8秒 (2000年分点) で、母銀河であるNGC 4036の23秒角西、11秒角南にあたります。 NGC 4036は、近年星の生成があまり起きていないと考えられる「レンズ状銀 河」です。このような銀河では、寿命の短い大質量星を起源とする重力崩壊型 超新星はまず発生しません。今回の超新星2007giは、核爆発型のものである可 能性が高いと考えられます。銀河の距離を考えると、典型的な核爆発型超新星 であれば13等級台にまで明るくなることが期待されます。今後の観測が楽しみ です。 参考文献:CBET 1017 (2007 Aug 2) 2007年8月3日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。