vsolj-news 178: Possible Nova in Vulpecula VSOLJ ニュース (178) 松江市の安部さん、こぎつね座に新星らしい天体を発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 「こぎつね座」は面積は小さな星座ですが、夏の天の川のなかにあるために、 数々の新星や変光星が捉えられています。この「こぎつね座」のなかに、新星 らしい天体が発見されました。発見したのは、島根県松江市八束町に観測所を 構えるアマチュア天文家、安部裕史(あべひろし)さんです。安部さんは、これ までにも小惑星を数々発見されてきた、ベテラン観測者です。 安部さんは、8月8日夕方(8.54日世界時、以下同様)に撮影したデジカメ画像 から、9.5等の見なれない星を発見しました。7月23日、31日、および8月4日に 撮影した画像には、同じ位置には11.5等より明るい星は写っていませんでした。 8.682日に、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんが撮影した確認画 像で測定された位置は、 赤経 19時54分24.64秒 赤緯 +20度52分51.9秒 (2000年分点) です。23秒角ほど南西にある12等星とは別の星で、18等ほどの星と位置がかな りよく一致します。この18等の星が増光したとすると、数日間で8等級以上 (1000倍強)の増光で、古典的な新星である可能性が高いものと思われます。 今後、スペクトル観測や、光度変化の追跡が期待されます。 参考文献:CBET 1027 (2007 Aug 8) 2007年8月9日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。