vsolj-news 180: SN 2007ig in MCG -01-5-2 VSOLJ ニュース (180) 兵庫県立西はりま天文台のなゆた望遠鏡、超新星を初発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 兵庫県佐用郡佐用町にある、兵庫県立西はりま天文台は、代表的な公開天文 台です。市民が天体に親しむ施設として開設され、開台から20年近くの間、数 多くの訪問客に、天体観望や天文学入門の糸口を提供し続けています。2004年 に完成した2m望遠鏡は、日本国内最大の望遠鏡であると同時に、肉眼で覗くこ とができる世界最大の望遠鏡でもあります。 西はりま天文台では、宿泊客が天文学を体験する「@サイトプログラム」を 実施しています。「宇宙人探し」などとともに人気のあるプログラムに、「超 新星探し」があります。天文台の嘱託研究員である内藤博之(ないとうひろゆ き)さんは、11日未明、この「超新星探し」の題材にする画像を撮影していて、 昔の写真にはない18.6等級の星像に気付きました。星の位置は、 赤経 1時32分19.81秒 赤緯 -7度51分35.8秒 (2000年分点) で、母銀河であるMCG -01-5-2の中心核から西に9秒角、南に2秒角のところに あたります。天体の存在は南米チリのラス・カンパナス天文台における観測で 確かめられ、超新星2007igと呼ばれることになりました。 なゆた望遠鏡での@サイトプログラム超新星探しは、これから本格化してい くと思われます。なゆた望遠鏡で次の超新星を発見するのは、宿泊客の誰かか もしれないのです。 参考文献:CBET 1060 (2007 Sep 12) 2007年9月14日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。