vsolj-news 182: SN 2007kj in NGC 7803 VSOLJ ニュース (182) 山形市の板垣さん、NGC 7803に超新星2007jkを発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp NGC(New General Catalog)は、1888年にドレーヤー(J. L. E. Dreyer)が作 製した、星雲・星団・銀河の表です。7840個の天体が、赤経順に並べられてい るので、7000番台後半だと赤経23時台の天体になるのが普通です。しかし、こ の赤経は、1860年分点に準拠したものです。現在使われている2000年分点だと、 歳差の影響で、7000番台後半でも赤経0時台という天体も存在します。今回超 新星が発見された、ペガスス座の銀河NGC 7803は、そんな天体のひとつです。 山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、10月2.60日(世界時、以下同 様)に60cm反射望遠鏡を用いて撮影したCCD画像に、17.4等の新しい天体を見つ けました。翌3.45日に撮影した画像では、17.3等で確認され、超新星2007jkの 名前が付けられました。天体の位置は、 赤経: 0時01分19.58秒 赤緯:+13度06分30.6秒 (2000年分点) で、母銀河であるNGC 7803の中心核から南に10秒角、西に6秒角ほどのところ にあたります。 板垣さんの観測では、発見12日前の9月20日には、19.0等より明るい天体は ありませんでした。とすると、この超新星は、爆発から2週間以内の、新鮮な ものであると考えられます。距離から推定すると、この超新星は、重力崩壊型 であるか、明るい核爆発型であればかなりの星間吸収を受けている可能性が高 いものと思われます。今後の分光観測などが期待されます。 参考文献:CBET 1092 (2007 Oct 3) 2007年10月4日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。