vsolj-news 186: V459 Vul = Nova Vul 2007 No. 2 VSOLJ ニュース (186) 札幌の金田さん、こぎつね座に増光中の新星を発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 歳の瀬も押し詰まってきましたが、注目の新天体の発見ラッシュが続いてい ます。札幌市にお住いの金田宏(かねだひろし)さんは、現在夕方の西空低く見 えているこぎつね座の一角に、新星を発見されました。金田さんは、小惑星を 多数発見・観測されているベテランの天体観測家ですが、新星を発見するのは 初めてです。 金田さんは、12月25.354日(世界時、以下同様)に撮影したデジカメ画像から、 8等級台の新天体を発見しました。薄雲を通しての観測だったので、明るさは 不確実だそうです。天体の位置は、天体を確認した板垣公一(いたがきこうい ち)さん(山形市)の測定では、 赤経: 19時48分08.84秒 赤緯:+21度15分27.6秒 (2000年分点) です。こぎつね座は、はくちょう座の南にあり、夏の天の川の中になります。 こぎつね座には今年8月にも、新星が発見されています(VSOLJニュース178)。 なお、岡山県津山市の多胡明彦(たごあきひこ)さんも、この天体を26.38日 撮影のデジカメ画像で独立に発見されています。26日には、天体の明るさは7 等級台で報告されています。 天体のスペクトル観測が26日、美星天文台、ぐんま天文台、岡山県井原市の 藤井貢(ふじいみつぐ)さん、西はりま天文台の各所でそれぞれ行なわれ、この 天体は、爆発後すぐの、おそらく最も明るい時期(極大)に至る前の新星である と判明しています。こぎつね座の今年2個目の新星ということで、「2007年こ ぎつね座第2新星」とも呼ばれますが、すでに正式な変光星名「こぎつね座 V459」が付与されています。 今後の光度変化やスペクトル変化の追跡が望まれます。 参考文献:CBET 1181 (2007 Dec. 26) 2007年12月27日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。