vsolj-news 187: SN 2007uy in NGC 2770 VSOLJ ニュース (187) 茅ヶ崎の広瀬さん、超新星を発見 著者 :山岡均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 年末年始にも、新天体ハンターの方々は精力的に捜索を続けておられます。 そんなひとりである、神奈川県茅ヶ崎市の広瀬洋治(ひろせようじ)さんは、除 夜の鐘が鳴るなか、超新星を発見されました。広瀬さんは、最も近傍に出現し た極超新星である、超新星2002apを発見された(VSOLJ ニュース (83))のをは じめ、数々の超新星を発見されてきたベテラン捜索者です。 広瀬さんは、2007年12月31.669日(世界時、以下注記なき場合同様)に、口径 35cmのシュミットカセグレン式望遠鏡で撮影した画像から、17等ほどの明るさ の超新星を見つけました。この時刻は、日本時では2008年1月1日午前1時3分と、 すでに年が明けていますが、国際的な取り扱いでは世界時を使いますので、 2007年における発見として、超新星2007uyという符号が付けられました。超新 星の位置は、確認観測をされた埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さん によると、 赤経: 9時09分35.27秒 赤緯:+33度07分08.9秒 (2000年分点) で、母天体である開いた渦巻を持つ銀河NGC 2770の中心から21秒角東、15秒角 南にあたります。この銀河では活発に星が誕生しており、1999年にも超新星 1999ehが発見されています。 今回の超新星は、スペクトル観測から、極大ちょっと前のIb型超新星と判明し ています(Blondin et al., private communication)。大質量星が水素外層を 失った時に、中心で重力崩壊を起こして星全体がふきとんだものと考えられて います。今後のスペクトル・明るさの変化が楽しみな天体です。 参考文献:IAUC 8908 (2008 Jan. 2) 2008年1月4日 ※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開 等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典 を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、 VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。 なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。